7、人の眼は嘘を付けない (マリア)
ライラに自室となる部屋を与えて頂きました、、、、が!
私が侍女でない事がバレたのかと思ぃ
少し戸惑ってしまいましたわ
なぜならライラは、主寝室を私に与えたのです
しかし、空け渡したと言うよりは
使っていなかったと言える主寝室に
私は疑問を抱いてしまいました
ライラは今までどこで寝ていたのでしょうか?
カフェのテラスで遭遇してそのまま一緒に部屋まで入りました
ですので、片す時間は無かったはずですし
部屋割りの事を聞いてみても
『狭い部屋が落ち着くので』と
『気にしないで』と
優しく微笑んでいました
私の息子は無意識に魔力を使ってしまう程に
早速その瞳や微笑みの虜になった様ですが
本人に自覚が無さそうなので
先が思いやられますわね
荷物を運ぶ時には華奢な身体ですのに
大きな鞄を2つも持ち
平然と歩いていました
この行動にもまた疑問が増えます
令嬢とはおしとやかが売りでありますのに
それに、自分の荷物すら持たない令嬢ばかりですのに
こんな姿もカイトの目を引くのでしょう
部屋までの移動中に
「ライラの寝室は、今まで使っていた形跡がありまして?」
とカイトに確認してみましたが
「シワ1つないベッドにクローゼットも空でしたよ」
と、返事をされて
ライラへの疑問がまた増えていきます
何よりも、リリアーシュとまったく似ていないのです
ライラは本当にリリアーシュの娘なのでしょうか?
(まさか、娘を嫁がせたくなくて替玉を使ったのでは!?)
そう思う程にライラの行動は令嬢のそれとは真逆なのですわ
後日リリアーシュ本人に確認する事にしましょう
今は、侍女としてライラのお世話に専念しなくては
侍女の仕事とは、身の回りのお世話だけではありませんからね
気持ちの切り替えも早々に、
周りの人物(特に他の候補者)からの視線の種類を
より分ける作業へと集中する
経験者なだけあってライラに対するその視線が
どのような意味を成すのか
彼女達の心を読んだかのように良く分かる
この力は、王族として生き残るのには必要不可欠で
王妃となった今でも旦那様の為に国の為にと
フル活用している
(あの中で要注意人物は3人ですわね、、、、)
顔と背格好、連れている侍女や護衛
3人分の候補者の情報を頭に叩き入れる
ジルに教える為に、、、、
それ以外のご令嬢はカイトや双子に釘付けって感じですわね
護衛として来ているカイトに言い寄るのなら
それはそれで候補者としては失格ですわね
あの方達も行動を起こしたら直ぐにリストから外さなくては
脳内メモの
《ジルに報告》
の欄に令嬢方の名前を書いて行く
候補者以外の秀でた才能の持ち主は
《可能性有り》
の欄に名前を刻む
女子生徒なら新たな婚約者候補として
男子生徒ならカイトの優秀な部下として
黙々と周りの人間をリストに記していますと
「母上、また何か面倒な事を考えてますね?
お顔が少し、、、、」
「何ですの?私の顔が、、、何か?」
馬車の中でも使った
(問答無用!!)の顔をして見せると
カイトはため息を着きながら
ライラの荷物を持とうと駆け寄って行きました
アラまぁ、あのカイトが積極的なのはいい事です
ライラには断られていましたが、、、、フフ
あの、カイトの微笑みを
少し引き攣った笑みでかわすライラ
まだ出会って1日と経ちませんのに
あの2人は見ていて飽きませんわね
これは、《陛下に報告》
の欄にメモしておきましょ!