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6 スキンシップは程々に

馬車庫まで目と鼻の先である

廊下側の窓から見える距離

ちゃっちゃと終わらせましょう


「あのっすみません!

ライラ様はお部屋にてお待ち下さい

我々の荷物ですゆえ御足労頂くのは

申し訳ありませんので」


部屋を出ようとしていたら

慌てた様子で呼び止められた


「皆で運べば1回ですみますので

それに、皆さんのお仕事は明日からですよね?

私の事は気になさらず、、、、行きましょう」


無理やり引き止められても

時間がもったいないので

少し強引に先を行く

カイトにはしっかり手を握られているが

夜会のエスコート並である


「コホン!」


軽く握った拳を口に当てながらマリアが咳払いをする

多分、カイトに対してやりすぎだと忠告しているのだろう


「失礼致しました、、、、」


とっても名残惜しそうに見つめられ

外へ出る扉の前で手を離された

そのまま扉を開けて、


「どうぞ、足もとにお気を付け下さい」


と言いながら完璧なレディーファーストを披露する


「ありがとうございます」


そんなやり取りをしている最中も

後ろの3人からは何とも言えない視線が注がれていて

私のせいでは無いと断言したいのだが、

カイトに自覚がなさそうなので私1人が赤くなっている


扉を出た目の前には中庭が広がっており

真っ直ぐ行くと校舎があり右手に行けばカフェテラス

その奥へ進むと別の中庭になっており

図書館と教師待機室、一般生徒向けの食堂

とコの字型に配列されていて

一般生徒用の寮や候補者達の寮など

ライラの部屋から見て扇状に広がっている


馬車庫は扉から出て左側の手前にある

校舎の横には馬車が4台は並んで行き来できる

幅広い道があり、中庭に入る辺りで

乗り降りできるようになっている


他には目もくれず真っ直ぐに馬車庫へ向う

この人数で外を歩くのは少し危険だ

ましてや、ライラはこう見えても

婚約者候補の1人である

28人もいれば1人でも蹴落とそうと

躍起になったご令嬢方が

貴族の階級を傘に陰湿なイジメをしたり

大金を払い刺客を雇っていたり

まぁ、それだけでは無いが

色々と危険なのだ


早く済ませよう!!


「この馬車です」


そう言ってヨルシュが馬車の荷台の扉を開ける

と同時に手を伸ばし荷物を両手に担ぐ

一般令嬢なら絶対にしないそんな行動に

マリア達が慌て始めた時


「皆さん、ライラにとっては日常ですから

気にせず、好きにさせてあげたらいいですよ」


と、落ち着いた雰囲気のこれまた輝かしい

小柄だが美人と言いえるご令嬢が立っていた

唖然とするライラ様御一行に微笑みながら

勝手に指示を出して行く


「人数に対して量が多そうね手伝いますわ!」


そう言って、ライラの持つ荷物をさらって行く


「ライラの部屋でいいのかしら?」


「お願い」


私が素直にお願いと言った事に少し目を見開いていたが

私も気にせず新しい荷物を手に取る


「すみません、ありがとうございます」


「気になさらないで、それより急がないと雨が降りますよ!」


「「「「はい!」」」」


ハキハキとした返事に美人令嬢が満足気に微笑む

こんな感じで、ご令嬢2人が1番重い荷物を2つ抱え

その他の護衛や侍女達は片手にひとつづつと言う

奇妙な光景を作っていた

本人達は気にしていないが、周りからは

何とも言えない視線を浴びている




その視線の種類をマリアは最後尾でしっかりと観察する








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