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3、 初めての護衛

眩しいばかりの4人を部屋へ通して

改めて自己紹介をする


「改めまして、ライラ·ミルコットです

侍女や護衛それから従者の方を

王宮より派遣して頂いているとは知らず

ご迷惑をおかけ致しました」


掌で一人一人を示し目を合わせ、

深々とお辞儀をする


「いえ!!

こちらこそ、ミルコット様とは存じ上げず

無礼をはたらき申し訳ありませんでした」


侍女の謝罪の言葉に4人一斉に頭を下げる

なんとも居心地が悪い

謝り合うのも悪いので、

ここは、主として仕切らねば


「すみませんが、皆さまの事をお伺いしても?」


「私は、侍女のマリアにございます

ミルコット様、我々はミルコット様に仕える身にございます

どうぞ、呼び捨てて頂いて構いません」


マリアが笑顔で自己紹介をする

ピンクに近い金髪で、

目鼻立ちはキリッとしているが物腰は柔らかく

まとめた髪から垂れている髪は癖が強く

厳しい中にも優しさがある感じだ

お母様と同じで年齢不詳

聞いちゃいけない雰囲気がある

海のように澄んだブルーの瞳は

私の素性を知ろうと見つめてくる


「護衛騎士のカイトです」


これまたご令嬢方が卒倒しそうな微笑みだ

ただ名前を言っただけなのに、、、、

この方の髪は明るめのグレー?

動く度に時々金色にも見える

首の後ろで1つに纏め少し癖のある髪をそのまま流している

前から見た時は短髪に見えていたので

部屋へ招き入れた時に見えた後ろ髪は尻尾かと思った

瞳は綺麗なグレーだ夜空に漂うオーロラのような輝きが見える

きっと無意識に女性を落とすタイプだ



「同じく護衛騎士のヨルシュです」


髪色はアイスブルー

前髪と横髪を顎のラインで切りそろえ

後ろは少し長めでそのまま下ろしている

カイトより背は低めだが、胸の膨らみは無く

一般女性よりは上背があり男だと判断出来る

女装させたら、、、、いけないいけない!

覚えるのに集中しなきゃ

瞳の色は夕暮れのような深いオレンジ

髪の色とは対照的で性格が読めない



「従者のヨシュアにございます

学院内での活動のサポートをさせて頂きます」


双子だけあって、顔のパーツはほぼ一緒

ヨルシュに比べて少し優しそうな雰囲気だ

髪と瞳の色はヨルシュと逆で

髪色が深いオレンジで瞳はアイスブルー

こっちが弟って感じかな?

短髪で、襟に髪がかからない様に刈り上げている


ヨシュアとヨルシュは

職種が逆なのでは?と言いたくなるが、、、、

と、とにかく

眩しい!!みんなの笑顔が眩しい!!


黒いローブに黒髪、闇色の瞳に黒縁メガネ

抱えている本は闇属性の魔術書

これぞ!!と言う程に完璧な魔女姿の私

書物についてはたまたまなのだが、、、、


これでは、皇太子殿下の婚約者候補とは

誰も思うまい、現にこの4人も気づいていなかった

私の完璧な変装なのだが、

いつ本当の姿を打ち明けよう?

マリアに至っては侍女である

着替えもお風呂も寝室もとなると

最初にバレるのは彼女だろう


「護衛の方が2人という事は、夜の間も護衛なさるのですか?」


「昼はお傍にて護衛を

夜の間は寝室の前にて護衛致します」


ヨシュアが説明してくれる

早速、従者らしい働きぶりである


寝室内での護衛はないと聞き安心する


問題はマリアなのだが、、、、


「さっそくですがミルコット様

我々はこちらにて住み込みになります

こちらにお部屋は空いてますでしょうか?

なければ、他に部屋の手配をしますが」


「、、、、」


彼等は王宮の侍女に護衛騎士

元の住処はもちろん王宮なのだろう

あいにく、私の荷物は少ない

部屋なら沢山空いている

つかの間の安心が消え去る、、、、


「、、、、部屋なら、、、、あります」


「かしこまりました、では部屋割りを、」


「あの!、私の事もライラと、、、、

ミルコットは養子に入った先の家名ですので、、、、」


ヨルシュが仕切るのを遮り気になっていた事を話す

変装している事は隠している訳ではないので

バレた時はその時である、、、、


それよりも、ミルコットと呼ばれるのはむず痒い

名前も略しライラ·ミルコットと名乗っている

身元保証人の叔母であり育ての親であるリリアーナ·ミルコットと

私の本名の一部にもあるミルコットをとって着けた名だ

しかし、普段使わないうえ

ミルコット様と呼ぶような友人はいない

まぁ、人ではない友なら沢山いるが、、、、


「かしこまりました、ライラ様」


ニコッっと効果音がした気がした


それに続き他の3人も了承する


「「了解しました」」

「かしこまりました」


判断に困った時に最初に応えるのはマリアだ

侍女は、護衛騎士や従者よりも下になる

だが、この4人ではきっとマリアがリーダー格なのだろう

年齢的な問題なのかな??

そんな事を考えてマリアを見ていると


「荷物も運び入れなくてなりませんので

申しわけありませんが、私共が使って良い部屋を

お教え下さい」


さっきより少し鋭い笑みのマリアに促される

考えている事が伝わったのか?

ドキリとしながらも部屋を案内する



「えっと、マリアさんは応接室から入れるこちらを」


入口から入って右側の手前には2階と地下に続く階段があり

真ん中にはキッチン、マリアさんに使ってもらう部屋は

その奥の窓側の扉から入れる部屋にした


「ありがとうございます」


そう言って部屋に入るマリアを見送って次!


「ヨルシュさんは、、、、」


「どうかしましたか?」


「すみません、従者の方が傍に居た事がないので、

どの部屋が良いのか分からなくて、、、、」


「それでしたら、書類作業などが多いので

ライラ様の執務室の隣りなどだとありがたいです」


「わかりました」


なるほど、従者とは執務仕事を手伝ってくれるのか!


「ではヨルシュさんは、上の階の、、、、

上がってすぐの左手前を使って下さい

その奥を私の執務室にしますので」


「かしこまりました、確認して参ります」


ヨルシュを見送り次!


護衛騎士2人、、、、


護衛とかしてもらった事がないので

これまたさっぱりである、、、、

空いてる部屋は私の寝室の奥の部屋と

ヨルシュに案内した部屋の向かいに2部屋

後は地下にも3部屋はあったはず、、、、

地下は食材や薬草用の倉庫にしたいので

2部屋は確保したい

手っ取り早く、選んで貰うのが早いかな


「護衛のお二人はどうしましょうか?

後、空いてるのは2階に2部屋、

私が使っている寝室の奥に1部屋

地下に3部屋ですねどこがよろしいですか?」


「まだそんなに空いているのですか?」


カイトが麗しい瞳をパチパチさせながら驚いている

少し面白い


「えっと、倉庫として使う部屋を用意しようと思っていますが

空いた部屋で大丈夫ですので、先に選んで下さってかまいません」


「では、私は2階の執務室前にします」


そう言って、確認しに行くヨシュア

見た目通り、悩まずに突き進むタイプなのだろう


「出来れば、こちらの階に護衛を置きたいので

せんえつながら、私は寝室の奥を使わせて頂きますね

それで宜しかったでしょうか?」


女性二人が、外と繋がる入口の階に居るのは

護衛としては心配なのだろう

だが、寝室の奥は1番狭い、そのうえ

部屋に入るには寝室を通る必要がある

ベッドには天蓋が付いているので

寝顔を見られる心配はないだろう


「はい、それで大丈夫です

奥の部屋は他より狭くなりますが大丈夫でしょうか?」


「護衛に着く事が多いので、

着替えと、寝る場所があれば十分です」


「そうですか、、、、」


「はい」


「、、、、あの?」


「はい?」


「お部屋の確認は宜しいんですか?」


「私は護衛騎士にございます、

ライラ様を1人にする事はございません」


「そうですか、、、、」


やっぱり、無意識で女性を落とすタイプだ!!

予想が確信に変わった瞬間である


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