表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/14

2、 輝く4人の探し人は闇の魔女


「ごきげんよう」

「ごきげんよう」


本日もここ、

リン国王立学院では

煌びやかな衣装に身を包んだご令嬢やご令息

そして、今年の入学に合わせて特例で集められた

皇太子殿下の婚約者候補の皆々方が

衣装に似合うこれまた煌びやかな笑顔で

挨拶を交わしている。


「不気味ね、、、、」


ぽつりと呟きながらも

興味がなさそうに本を読む

女生徒が一人

煌びやかとは程遠い黒いローブで

着ている服をすっぽり隠し

髪は後頭部より少し下の辺りでまとめ

服装や髪型に似合う眼鏡を掛け

学院内併設のカフェテラスで

本を読みながら紅茶を啜っている




お母様の頼みだからと来てみれば

上流階級の総合お見合いって感じね

学院とは名ばかりで、

要は、貴族同士の繋がりを持つ為の場って事ね



勝手に、そんな解釈をしながら

ページをめくり紅茶を啜る


、、、、


アレ?

さっきより紅茶が増えてる?

しかも暖かい?


そんな疑問をふと抱き

本から気がそれた時、

彼女はようやく目の前の光景に気が付く


この人達は誰?

ずっとここに居たのかしら?


私がここに座る時には居なかったはず


そんなに長く本を読んでいたのかと

思わず太陽の位置を確認してしまう


その仕草に気づいた侍女姿の女性が声をかける


「あらっ

読書の邪魔をしてしまいましたでしょうか?

申し訳ございません」


立ち上がり詫びのお辞儀をしようとしたところで

慌てて止めに入る


「大丈夫ですよ!

紅茶の量が増えていて、それに熱くなっていて

ビックリしただけですから!」


「それは、失礼致しました!!

熱すぎたでしょうか!?口の中を負傷しましたでしょうか??」


慌てて返す私に対して

さらに慌てて席を立ち怪我の確認をしてくる

騎士姿の男性、、、、


騎士姿の男性の問いに答えるのも忘れ

私は二人に魅入ってしまった


この2人を見ていると、

着飾ったご令嬢方が霞んでみえるわね


そんな事を思いながら

2人を見つめていると、


「驚かせてしまい申し訳ございませんでした

私達が頂いた紅茶より、冷めてしまっていたようなので

それでは、お身体が冷えてしまうと思いまして、、、、」


確かに、春先はまだまだ冷える日が多い

ありがたい気遣いである

だが!!問題は!!彼が魔力を使ったのではと言うこと

王族の血縁者にのみ使える魔力を、、、、

自国であるアクア国でもそうで

ここ、リン国でも同じはず

温めるのに加えて量まで増えている!



疑いの眼差しで無言のまま立ち尽くしていると



「失礼致します」


そんな雰囲気を悟ったように

執事風のカフェ店員が

真新しい紅茶を持って現れた


「、、、、ありがとうございます」


騎士姿の男性は紅茶を受け取り

元々彼の前に置かれていたカップを渡した

カップの中身は半分近く無くなっていて

侍女姿の女性の物と比べると減りが早い気がする


「外はまだ寒うございます、

本日はお昼頃より、雨も降るそうです

お身体が冷える前にお部屋へどうぞ」


なるほど、、、、

納得して執事風の店員に尋ねる


「雨が降ったらここは閉めてしまうの?」


「テラスのテーブルやイスは片させて頂きます」


「分かりました、これまで頂いたら部屋へ戻りますね」


執事風の店員は、一礼して下がって行った


つまりは、私の勘違い

何事も無かったように振る舞い

席へ座り紅茶を啜る


「お気遣いに感謝します」


「いえ、、、、」


少し恥ずかしかったわね

お詫びと感謝を込めてお礼を言う

イスへどうぞと手で示し

侍女姿の女性と騎士姿の男性に座ってもらう

そうよね、まさか王族の方が

騎士なんてしてるはずないものね


紅茶だって、自分用に出された紅茶を

私の物と取り替えて下さったのね

きっと、仕えている主人が優秀なのね


2人が座った時、さらに驚いてしまう

奥のイスに騎士と侍従の格好をした

男性が2人居ることに気づいたのだ

髪型は違うが同じ顔が2つ、、、、


双子なのかしら?


心の中で思いながら軽く会釈する

2人も双子らしく綺麗に揃った会釈を返す

肝心の主の姿が見えないが

全員で休憩なのか、だとすれば

彼等の主は他にも騎士や侍女を連れている事になる


侍女や騎士でこの輝きなのだ

きっと主は王族に近い方だな!


勝手に決めつけ、紅茶を啜っていると

侍女姿の女性がたずねてきた


「私達、明日からの任務でして

本日はお仕えする方にご挨拶と

自分達の荷物の整理にまいりました

ですが、お部屋にいらっしゃらないようでして

探していたところなのです」


「そうですか、、、、」


「申し訳ございませんが、

アクア国より今年入学された

ライラ·ミルコット様をご存知ありませんか?」


「、、、、えっ!?」


本日3度目の驚きだ

なぜなら、そのライラ·ミルコットとは

この私なのだから、、、、

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ