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(あれ?)
朝日向の体が宙に浮いた。
「うわっ」
どすん
「いたっ」
朝日向は石につまずいて転んでしまった。
(うわーっ、あいつ転んだーーーーっていうかめっちゃ痛そーーー)
朝日向は転んだ後、転んだ姿のままで動きが立ち止まっていた。。
(あれ?なんで立ち上がらなくてじっとしてるんだよ。)
朝日向は微動もしなくてうつ伏せになっていた。
(もしかして動けないの?・・まさか、あいつ、、)
壮太がだんだん近づいてきた。
「お前・・」
「っ」
後ろから壮太の声が聞こえた。
「どうしたんだよ。」
「・・・」
「お前地面と挨拶??ククク」
後ろから壮太がからかっていた。
「ああぁーー」
(やはり見られたんだーーーー痛みより恥ずさがもっとするんだよ。)
朝日向は恥ずかしかったか自分の赤くなった顔を急いで覆った。
壮太はこの状況がすごく面白そうだ。腹をかかえて笑っている。
「プハハハーーははーー涙出そーークク」
「もう、、笑わないでくれよーーー」
朝日向はまだ顔を覆ったままだ。
壮太は朝日向の前にしゃがみ込んで彼の肩を軽く叩きながら
「何だよーこんなことで照れるな照れるなって!!!ククク」
(あれ?男のくせに細くてきれい指をしてるんだなー)
「もうーーー笑わないからーー」
「ほ、本当??」
朝日向はいきなり顔を上げた。
「うわっ」
壮太はどしろと尻もちをついた。
(顔が近過ぎ!)
「あっーー壮太!大丈夫なの?」
朝日向は転んだ壮太の上で見下ろしていた。
(あーーこいつ・・キレイ。志保先生よりキレイだー。)
太陽のせいかどうだろうか彼には、朝日向に明るい後光がさした。
(あたたかい・・あっ、俺、何を考えてるんだよ。)
壮太は朝日向をじっと見つめた。そして思った。
(やっぱこいつは色男だ、、それに魔性の色男だーーー!!)
「急に顔出すなよ。びっくりしたじゃないか。」
「あ、ごめんね。」
後ろに下がり正座した。
壮太はほこりをはたいて立ちあがた。
「なあ、早く立ってー早くしないと先に行くから。」
「あ、うん。っ」
(ん?何か足の音が遠い・・)
壮太は朝日向がちゃんと付いてくるのか後ろを振り向いた。
朝日向のひたと足を止めた。
「あーーキレイ~この花見てー」
「何だよ。早く歩きなよーーーーー」
(何だ、、まだ遠くで歩いてる。)
壮太はまた後ろを振り向いた。
朝日向はまたひたと足を止めた。
「あれみてーお鳥さんだ~可愛いなーー」
(鳥何かどこにも見えないけどーなんか怪しい・・)
「俺の言うこと聞いてるの?もう日が暮れるんだよ。早く歩きなよ。」
「はーーい!!」
(少し前より遠くなったんだ。何故だよ。ますます怪しい・・)
今回は一テンポ早く振り向いた。
びっく