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桜咲くごろ  作者: 萌月 怜
第1話。爽やかな風と春の雪
7/14

7

花びらが散って地面にはまるで美しい

ピンクカーペットのように敷かれていた。

その中に足を踏み込んだ。

「うわ~~~」

目が丸くしている朝日向は

しばらく間この華やかで美しき輝いてる花の踊りを見つめていた。

「はあーーーーきれい・・雪みたい・・」

その美しい光景で朝日向は目を見張るほど関心した。

「すごいーーーーー」

美しく舞い落ちる花の中で

その場でくるくる回りながら花を満喫する

「幻のなかでいるみたい。」

両手を横に伸ばしこの童話の中みたいな場所と

同化しまるで舞うようにぐるぐる回っている。

(何の真似だ。一人で映画撮るのかよ。)


朝日向は桜の花のファンタジーを満喫していた。

「あははははーー」

「あっ」

(まぶしい・・)

それは明るい太陽の光のためだろうか

朝日向の光のためだろうか分からなかった。


(はあーあれまじ大人なのかよ。)

「なあ、ちょっと・・」

「え?あ・・」

(壮太がいるの忘れた。)

「いつまで待たせる気なん・・あっ」

朝日向はひざまずき壮太と目を合わせた。

そして壮太をぎゅっと抱きしめた。

「はあぁ???今回は何だよ。放せーー」

でも朝日向は放す気は全然ないようだ。

「放せ・・」

「少しだけ・・少しだけこうしていてくれない?お願い・・

 嬉しすぎて胸がいっぱいになっよ。

 はは・・なかなか落ち着かない。めちゃわくわくしてるんだ。」


朝日向の言う通り心臓の激しい鼓動が、そのトキメキが壮太にも伝われた。

「・・ちょっとだけだよ・・」

「うん。ありがとう・・壮太!!」

朝日向の心臓の鼓動が壮太と溶け込んだ。

壮太は妙な感じがした。

(あたたか・・)

「はっ、も、もう放せ。これでいいだろ。」

壮太は慌てて朝日向を押し出した。

(何だよこの感じ・・)

「う、うん。ごめんね。」

壮太は自分から離れてる朝日向を見つめた。

今まで見たことのない顔をしていた。

まるで寂しそうな悲しそうな、あんな顔は知らない。

ただいつもうまくニコニコ笑ってるのが、それがうざかっただけだ。

なのにあんな顔を見ていると壮太は心がよくない。

(うざいやつなのに、、なぜ俺はこんな気になるんだ。)


「もう写真撮らなくていいの?」

「うん?写真?」

「額縁のー」

「・・あ、そうだ。」

朝日向は慌ただしく動き始めた。


パシャパシャ

あちこち美しい桜をカメラに収めた。

「うわーーキレイ~~」

(あの天然!!すぐ戻ってきた!)

「スマホって便利だよねー」

パシャ

「壮太ー」

写真を撮っていた朝日向はいきなり壮太を呼んだ。

「ん?」

「こち見てーー」

「あ?」

「はい。チーズー」

パシャパシャ

壮太の写真をとった。

「はあ?撮るな!撮るなって!!」

壮太は急いで自分の顔を隠した。


「もう撮ったよー」

「寄こせ。俺の消す。」

「アハハはーーいやーだーー」

壮太はばたばた走ってきた。

猛烈な勢いで朝日向のスマホを奪おうとしていた。

朝日向はスマホが壮太の手が届かないどころまで手を伸ばした。

小さい壮太はいくら取ろうとしても手が届かない。

いくらぴょんぴょんとジャンプしても届けなかった。


(うぅっ、やっぱこいつムカツク!!)

「寄こせって」

「いやーだよーーハハハ。」

「寄こせ、このーー色男!!!!」

色男ーーー色男ーーー色男ーーー

大声で叫んだ壮太のその言葉のこだまが返ってきた。

「うっ・・」

朝日向の動きが止めた。ショックを受けたようだ。

でも写真は奪われる気は全然ないようだ。

手を上に伸ばしたままぼっとしていた。


(あ、、なんか・・こいつに悪いことしたような・・)

「ちっ・勝手にろ。」

壮太はつっけんどんに言った。

「今回だけ見逃してやる。2度はない。その時は手加減しないからな。」

「う、うん。」

朝日向はスマホを両手でぎゅっと掴んでいた。

まるで大切なものみたいに・・


(何だよ。お前は落ち込むなよ。お前はー)

何故か壮太は朝日向の悲しむ顔より笑顔が見たいと思った。


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