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ここに来て本当によかった・・!!
「あ、朝日向。前の件、用意しといたよ。」
「そうですかぁーなんかドキドキするー。」
「早く行こうか?」
「はーーい」
杉原と朝日向は店を出て町を歩いた。
そしてある小さな家の前にたどり着いた。
「ここだよ。」
「本当ー???ここが僕の??」
「そう。お前が泊まる家だよ。先に入ってみて。」
「うわーーこれが畳ですねーー」
朝日向は床を触ってみた。
「これは・・炬燵???」
朝日向は田舎町小さな家の中
すべてがめずらしくてあっちこっち見たり触ったり
していた。
「でもわるい!まだ準備が終わってないんでね。
手が足りないんで暖房装置を
直るには2~3日くらいかかるそうだよ。」
「あ、そうですか・・・ちょっと困りますね・・」
朝日向は急激に落ち込んでしまった。
「あ、心配しなくていいよ。
その間、狭いんだが俺の家で泊まればいいから安心して。」
「杉原さん、大丈夫ですか??」
「もちろんさ!」
「よかった~」
時間が過ぎ夕方になった。
杉原と朝日向は食卓に並べられている料理を見ていた。
「ごめん!!」
「いえいえ・・お・美味しそうーー」
テーブルの上には何か知らない食べ物がそろえていた。
「いや~美味しそう~いただきまーす。」
朝日向は少し焼けすぎた卵焼きを
一口に齧り付いた。
がりがり・・
「うっ・・・」
「え??朝日向?」
「あ、いえいえ何でもないです。」
がりがり・・
「ご・・ごめん!俺、まだ料理は苦手なんで・・」
「あ、心配しなくてもいいです。僕、カルシウム不足なので・・
卵の殻は天然カルシウムですよねーアハハー」
杉原と朝日向は美味しく夕食を食べた。
「ごちそうさまでした!!」
「朝日向、先にお風呂入って。」
「あ、はい。では先にお邪魔します。」
「あ~~~温かい~気持ちいいね~。」
狭いお風呂で朝日向は一日旅疲れを取った。
「気持ちいいーーさっぱりした~」
「自分の家だと思ってくつろいでな。」
「ありがとうございます。杉原さん!!」
「じゃ、俺も風呂入ってくるね。
あの部屋のベット使えばいいよ。無理せず少しでも休んでな。」
「あ、はい!」
そして杉原はお風呂に入った。
杉原の部屋には小さなベットがあった。
「あ~~~疲れたーー」
朝日向はその小さなベットに腹ばいになった。
ベットの上の布団には杉原の体臭が残っていた。
「杉原さんの匂い・・オジ臭い。アハハ。」
こんな行動が自分から思ってもきまり悪く思われてた。
旅行の疲れのせいか朝日向はそのまんま
ベッドに横たわってぐっすり眠ってしまった。
「う・・うん・・」
窓から朝日がさし込んで目がまぶしくなった
朝日向は眠い目をこしながら眠りから目覚めた。
「まぶしい・・・」
目の前にはある男の背中がみえた。。
(えっ??・・誰???ここは・・・)
朝日向は急にあたりを見回してみた。
(杉原さん?えぇぇぇ???なぜ杉原さんが・・
・・なにこれー???僕、ベットから落ちたの???
恥ずかしいーーどうしよう・・)
慌てている間に杉原が急に寝返って
杉原の顔と朝日向の顔は見合せることになった。
(はっ・・・)
慌てるのもしばらく間、
朝日向は杉原の顔をつくづく眺めていた
こんなに近くで見るのは初めてだ。
(杉原さんの・・まつげ・長いね・・)
ちょっと触ってみたくなった。
自分も知らずに手が動き始めてしまった。
もう少し・・
その瞬間、杉原が目が開けた。
「あっ!」
手・・朝日向の手は行き場を失った。
「うん?朝日向?」
「目・・まぶしいかと思って・・。」
朝日向はそそくさと布団から立ち上がろうとした。
「あっ、いた・・・」
固い床の上にあんまり寝たことないんで
腰が痛くなったせいだ。
その痛みで重心を失った朝日向は
そのまんま倒れてしまった。
「あぁぁーーーーっ」
「うあっ!!」
倒れた朝日向は杉原の胸に抱かれてしまった。
結局、そんな形になってしまった。
朝日向の目は大きくなった。
自分の下に横になってる杉原をぼっと見つめていた。
「あっ・・あの・その・す・・杉原さん・・グ・・Good Morning・・」
朝日向の顔は真っ赤になってしまった。
「ご、ごめんなさいーーーーーーーー!!!」
腰を浮かして逃げてしまった。
「ううっ、いた・・・」
「ふふっ・・Good Morning・・朝日向!」
杉原は小声でささやいた。