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刹那と永劫の狭間に  作者: 吉岡 澪
叶わぬ願い
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能力

 古賀とエリオットが敵を撃破する少し前。刹那と永劫は貯蔵庫付近での戦闘を危険と考え、地下駐車場に敵を誘導し戦っていた。


「くっ、こいつら化け物か!?」

拳銃で撃たれてもなんともない永劫。そもそも弾が当たらない刹那。確かに化け物といえばそうかもしれない。


 二人は見事なコンビネーションで敵と応戦していた。相手も二人なのだが、刹那たちが押している。キャリアの差か。


 敵も薄々それに気づいている。

「おい、ソテツ。奥の手でいくぞ」

ソテツと呼ばれた片方の敵が頷く。彼らは何かを狙っているようだ。

「能力を使うつもりかも……」

刹那が永劫に小声で伝える。

「どんな力か分からない。ここは先に攻めよう」

「了解」


 先手必勝。永劫と刹那は攻めに転じた。本領発揮だ。


 目にも止まらぬスピードで刹那がソテツに襲いかかる。そのまま顔面を掴み引き倒す。彼女の握力は人並みだが、能力が加わることによって重機もびっくりのパワーが出るのだ。


 そして、哀れなソテツは数秒で絶命。刹那は手を合わせる。一応の倫理観である。

「ごめんなさい……。あなたに直接の敵意はない……」

やっていることは残虐な気がするが。


 一方、永劫はもう一人の敵と肉弾戦を繰り広げる。こうなると永劫はまず負けない。当て身で敵を気絶させ、壁に叩きつけた。こうなっては戦闘不能。能力を使う前に倒された。


 つまりは完全勝利。二人は古河たちの応援に向かおうとした。

 しかし、永劫がなにか異変に気がついた。辺りを見回す。


「おい。なんか変な匂いしないか?」

よく見るとソテツの死体から、目を凝らさないと見えないほどのガスが出ている。刹那を離れさせ、近寄って匂いを嗅ぐ永劫。

「ヤバい! これは毒ガスだ!」

敵の言っていた奥の手はこれなのだろう。ソテツから漂うガスはみるみる量を増す。まともな人間なら吸って三分ももたない猛毒と永劫は判断した。


 刹那に任せるわけにはいかないので、永劫は単身ガスの処理にのり出した。


 まず、ソテツの死体に手を触れる。どこからガスを出しているか探るつもりだ。匂いから判断するに、どうやら汗腺から出ているらしい。つまりは皮膚だ。

 次にガスを生成する器官を強制終了させる。これは再生の能力を逆に使えばいい。永劫には医学的知識がないので、体全体に能力を発動させる。これでガスは止まる。


 最後に汗腺を別の細胞を再生させることで塞ぎきる。

 普通は何日もかかる除染作業を永劫はわずか十分で片付けた。流石。


 戦闘にも後処理にも長ける二人は今度こそ古賀たちの助太刀に向かった。


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