第八話 初登校、初遅刻?
「いやー、助かったよ」
「…………」
コクッ
朝のある意味穏やかな会話
そこに二人の姿があった
片方はさっきまで学校がどこだかわからず昨日のようにさまようことになりそうだった俺、そしてもう片方は、そんな俺と偶然出会い、意外にもいつかの俺の幼なじみだったという水上蓮
どうしてこんなことになったのかというと———
学校までの道のりを知ろうとして、未来を見ることにした俺は、その数10分後の未来で誰かと一緒に歩いていることが分かった
————つまり、
俺は、誰かに出会えて事なきをえるってわけだ
そういうわけで、いざ家を出んとしたとき、目の前を通る水上蓮に出会ったというわけだ
「うん?つまり蓮の家って、あの通りにあるんだ」
「…………そう」
「なるほどね…」
「…………」
「あ、そういえば学校まであとどれくらいあるんだ?」
なかなか学校に着かないので聞いてみる
「…15分」
「はい?」
「…このまま行けば15分」
「…………………」
「………………」
なんか嫌な予感がする…
「………学校は何時から?」
「8時20分」
「………………………」
ポケットに入れていた携帯を取り出す
……………。
「なぁ、蓮」
「………何」
「…こんな時間なのに…俺達はどうしてのんびり歩いているのかな?」
「……………」
「…………」
蓮はしばらく黙ったままでいたが、その後足を止め、こちらを向いて
「…もう間に合わないから」
と、無表情のまま一言。そしてまた歩き始めた
なるほど〜
もう間に合わないってか…
「…って、遅刻決定かよ!!諦めんなよ!!!!」
転校初日で遅刻はまずい、というか明らかに避けておきたい結果だ
タイムリミットは後5分…
こうなったら……
「蓮!!」
「…………?」
「走るぞ、全力で!!」
そう言って、俺は走り始めたが
「…………」
蓮は今だ歩いていた
「あー、もう!!いくぞ蓮!!」
「…………あ」
そんな蓮の手を強引に引っ張って、俺は再度走り出した
「はぁ……はぁ………はぁ…………つ、ついた…」
時間を確認する——
「…ギリギリ……か……はぁ、はぁ、はぁ、危なかったな…」
今日を以て実感する、人間はやればできるのだと
しかし、何故だろう
15分を約5分に短縮するほど全力走ったにも関わらず……
「……………」
蓮は平気なんだ?
「…まぁいいか」
今は時間ないし、早く職員室に向かわないと
「……………!?」
突然蓮が驚いた表情を見せる
「…?どうした、蓮?……って、え!?」
蓮が駆け出した
しかもさっきよりもずっと早く
…………………。
「…………れ〜ん」
静かな生徒玄関に取り残された俺
すると途端にチャイムが鳴り響いた
多分、これは…………
「本令だな、きっと」
………こうして俺の転校初日遅刻が確定した
………………。
さらに悪いことに………
「………職員室の場所がわからん」