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  作者: mahiro
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 キョウコは軽くシャワーを浴び、身仕度を整え、マホの自宅へもう一度行こうと考えていた。

 マホの母親が、あの部屋でマホの帰りを待っているとは考えにくかったが、血がつながっていなくても心配してマホの様子を伺いに訪れるほどだから、マホの携帯にかければ連絡がとれるだろうと思った。

 何度目かのコールの後、やはり母親がでた。

 精神的にボロボロの声で、

「ああ、キョウコさん。昨日はありがとうね。体調、大丈夫?」

「はい。・・・すいませんでした。昨日は気が動転してしまって・・・。お力にもなれずに・・・」

「ううん。助かったわ。一人じゃどうしていいかわからなかったもの」

「今、おばさんは、マホの家にいるんですか?」

「うん、今着いたところ。警察の人に聞いたら、部屋のゴミは処分して構わないって言ってたから。すこし片付けながら、手掛かりになるもの見つけようと思って」

「私も、同じ事考えてました。・・・私。まだ納得出来ないんです。この前会った時は、普段通りだったんです。だから、どうしてって・・・」

 また、涙が溢れてきた。

「マホは本当に良い友達を持ってるのね。私は良い母親には成れなかったけど・・・。・・・でも今日は、お仕事あるんでしょ?」

「いえ。有休もらっちゃいましたから。いいんです。今のままだと仕事にも身が入らないんで」

 そう言ってマホのアパートに行く旨を伝えて、通話をきった。


 ふと、自分のノートパソコンに目をやった。

 あの日、カフェで噂した会話を思い出す。

 『ねえキョウコ、いずみさんって、知ってる?』

 本当にそんなコンピュータウィルスが出回っているのだろうか・・・。

 キョウコは、パソコンの電源を入れた。


 検索エンジンにキーワード『いずみさん コンピュータウィルス』と入力し、『Enter』キーを押す。3万件以上ヒットした。

 和泉市のホームページや、投稿小説のタイトル、便利屋『PCウィルス駆除』、鳥インフルエンザ、大阪 泉の広場の都市伝説・・・。

 マホが話していた都市伝説に関係するものがあるのだろうかと、半信半疑で次々ページをスクロールさせては更新させていく。

 だんだんと知りたい情報の主旨から離れた結果になってきているのに気づき、ため息をついた。


 急に、画面右下の、メニューバーからコメントが表示される。

 自分の行動を、画面の向こう側から誰かに見られているような、そんなタイミングで・・・。

 コメントの意味を理解するより早く表示は消えたが、キョウコは『何か』直感した。

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