~07~
ん・・・・ま・・ぶし・・・い・・・・・ここは・・?
何日かして麗加はベッドの上で目を覚ました。
その時白衣の男が病室に入ってきた。
「気がついた?」
男はほっとした様子で声をかけてきた。
サラサラとした清潔感ある髪を中心から少し左で分けており、細いシルバーフレームの眼鏡が知的な印象を与えた。
「ここは病院だよ。僕は院長の仁です。」
「あの・・・私」
状況が把握できず可能な範囲を見渡した。
「覚えてる?君は10日前のレッドタウンで起きた爆発の被害にあい奇跡的に助かったんだよ。」
麗加はハッとし起き上がった。
「ねぇ!!パパは!?マ・・・っつ!!」
飛び起きた麗加の体に激痛が走った。
仁は支えゆっくりベッドに寝かせた。
運び込まれた時の麗加の体は、爆風で飛んだであろう破片の擦り傷が無数にあり、打ち身も酷い状態だった。
安静にしていなければならない。
そして麗加の様子から当時家族もレッドタウンにいたのだろうと察し、仁は首を横に振った。
「・・・麗雄は?」
「残念だけど、あの時レッドタウンは全壊してしまって、生存者は殆どいないと発表がされてる。
君が助かったのも奇跡だったんだ。」
皆死んだ・・・?
「う・・嘘」
ショックで言葉が出なくなる。
頭は真っ白になり、体中の血の気が引いていくのが分かった。
次第に手が震え始め、溢れ出した涙が止まらなくなり、麗加は顔を覆って泣き喚いた。
「あぁ・・・・うぅぁ!!!!!!」
信じられないよ・・・
なんで!?
トレインに乗るまでは想像もしなかった事だった。
どうしてこんな事になってしまったんだろうか。
これが麗加の運命の始まりだった。