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cyber girl ~REIKA~  作者: No_318
運命
5/68

~05~

-放課後-


「じゃ、私ロッカー寄って帰るね」


「うん、またね~」


授業が終わり麗加は千風と美兎と別れ、帰り支度をしに廊下にあるクラスごとに設置されたロッカーへ向かう。


そこにいた一人の男子生徒の姿を見つけると麗加の足が止まった。


「あ・・・」


麗加の胸がドキッと大きく鼓動した・・・


男子生徒は麗加に気がついた。


「よう」


「ども・・・」


そう言って声をかけてくれたのは同じクラスの邦鷹勇也(ほうだかゆうや)だ。


勇也は普段は特に目立つタイプではなく、クールな性格もあって少し落ち着いている。


他の生徒のように制服を着崩したり、着飾ったりもせず普通の背格好だがダサいイメージはなくそれが良く似合っている。


青みがかった髪は短く、逆立てる前髪がスポーツマンらしさを匂わせた。


勇也は部活動のための準備をしていたのだ。


そんな憧れを目の前に緊張しながらロッカーから荷物を取り帰り支度をする。


沈黙の中・・・


「さっきの話さ・・・」


勇也が麗加に話し掛ける。


話し掛けられるなんて思ってもいない麗加は緊張が更に増した。


「は・・はい?」


麗加は『生意気だと思われたんではないか』と不安を隠せなくなった。


どうしよう・・・そう思うと手が震えた。


しかし次に勇也が発した一言に麗加は救われることとなる。


「俺もかっこいいと思うよ」


「え・・・?」


「その叔父さん。なんつか、英雄・・・みたいじゃん」


そこには優しく微笑みかける勇也の姿があった。


「あ、ありがとう。そう言ってもらえて嬉しい・・・あんなこと言っちゃって内心不安だったから」


麗加は思わず安堵の表情をみせた。


勇也はそんな麗加の表情を見ると一言言った。


「そこが暮内の良いとこなんじゃない?」


麗加は嬉しさで一杯になった。


今にもうれし泣きしてしまいそうな勢いだった。


「それじゃ、俺部活だからまたな」


「うん・・・頑張ってね」


「おう!」


勇也は笑顔で返し走り去っていった。


夢のようなひと時に麗加はカバンを抱きしめ、赤面しながら嬉しさを隠せずにいた。


麗加はその足で駅へ向かい、家族が先に待つ叔父のいた街、レッドタウン行きのモータートレインに乗車した。


この街ブルータウンからモータートレインで約15分程で着く。


麗加が窓際の席に座るとトレインは発車した。


風景を眺めながら勇也との出来事を思い出していた。




サッカー部所属の、麗加が密かに憧れる存在である勇也はチームのエースだ。


普段のクールな姿とは一変し、サッカーをするときには迫力と情熱の顔を見せる。


そのときの勇也はとても輝いて見えた。


その姿が麗加を虜にするのだった。

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