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cyber girl ~REIKA~  作者: No_318
運命
35/68

~35~

今まで沢山の患者を見てきた。


そして沢山の死を見てきた。


だが麗加の死を仁はまだ受け入れられないでいた。


不思議な力を持つ謎の少女。


まだ彼女は生きている・・・なぜかそんな風に感じて仕方がなかった。


しばらく仁は一人呆然としていた。






主を失った一室。


そこに姿を現したのは豪だった。


麗加の死を知り、どうしても解きたい謎があったのだ。


『あのっ!』


以前少し息を切らしながらかけてきた麗加の姿が浮かぶ。


『私分からないの。自分がどうしたいのか。だからもう一度あなたに会って話したかっ

たの』


『お前が今、俺に話しかける行動をした。それがもう答えだ』


『え?』


そんなやり取りをしたのを思い出す。


「お前は、答えを見つけることが出来たか?あっけなく逝ってしまって後悔はないのか?」


豪は静かに呟いた。


そのままにされている麗加の私物を何気なく見渡す。


その中に一つだけ妙に引き寄せられるものを発見した。


麗加のE-noteだった。


豪はその機械から発せられる何かを感じ取り手帳を開いてみた。


手帳には麗加の今日までの日記が書かれていた。


真新しい今日の日記のタイトルには「私の答え」とある。


豪は迷いなくその日記を開いた。






~私の答え~

今私に出来ることは、大事な人を守ること。

だから私、彼のために自分に出来ることをやりたい。

この力を彼に使う。

彼の悲しむ顔を見たくない。

でも、この力を使うと先生が言ってたように私は死ぬかもしれない。

それで私が死んだらそれまで。

だけど、もし私がそれでも生きられるのなら、もっと大きな事が出来るのかな。

私にも出来るのかな。

家族を失った同じ境遇のあの青年みたいに・・・

私が死んでしまったら、もう間に合わないかもしれないけど、私も志願したい。

まだ守りたいものが沢山あるから。





麗加の答えは出ていた。


しかし麗加は死んでしまった。


だがあの二人の力があればまだ間に合うかもしれない。


豪は手帳を持ち二人の元へと急いだ。





仁は賢の病室にいた。


「今日患者が一人死んだ。今までこんな気持ちになったことなんかなかったんだけどな。あの子にはもっと生きてほしかった」


賢に胸の内を語っていた。


そこへ豪が慌ててやってきた。


「豪!・・・一体どうしたんだ?」


珍しい様子に賢が少々戸惑いながら問う。


「二人に頼みたいことがある」


豪はそう言って早速麗加の「答え」を二人に見せた。


そして麗加の想いを二人に伝えた。

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