~26~
勇也はそこで起きた出来事を麗加に話した。
麗加は恐怖を覚えた。
麗加自身も謎の光の衝撃で大怪我をしている為、勇也の恐怖も理解が出来た。
「あ~、でもなんかこうやって話してると、俺って情けないなぁ」
勇也が苦笑した。
「そんなことないよ!!」
麗加は真顔で叫んだ。
沈黙が走った。
「ごめんなさい・・・でも、無事でよかった・・・ホントに」
今度は涙が出そうになった。
「いや、ごめんな・・・ありがとな・・・」
勇也が微笑んだ。
お互いの素直な気持ちが交差する。
次第に段々と恥ずかしさを増していった。
二人はギクシャクしていた。
「え・・・と・・」
「んぁ~~ごめん・・・なんか麻酔が強くなってきて・・・」
勇也が両手の甲を目に擦り付けながら言った。
「私こそ突然押しかけてごめんなさい。私ももう戻るね」
麗加は慌てて立ち上がった。
「じゃぁ、おやすみなさい」
そう言ってドアの方へと向かった。
「暮内!」
勇也が呼び止める。
ドキン・・・
立ち止まりゆっくり振り向いた。
「またな」
勇也が優しく微笑みながら言った。
「うん。またね」
麗加も笑顔で答え、病室を出た。
勇也はその直後に眠ってしまった。
自室に戻った麗加は、開きっぱなしのメールがあったことを思い出し目を通した。
送り主の千風に勇也に会えた事と知らせてくれたことのお礼を返信した。
勇也の身に起きた事はショックだったが、元気な笑顔を見せてくれたことに嬉しさを隠せなかった。
明日、検査後にもう一度顔を見に行こうと麗加は思った。