~19~
その時、
ズキッ・・・!!!
「っ・・・!!」
麗加はその場にしゃがみこんだ。
突然頭に激しい痛みが走った。
「う・・・っ」
痛みはすぐに治まった。
「今のは・・・なんだったんだろう・・・」
色々考えすぎて疲れてるのかもしれない。
やっぱり一度仁にちゃんと検査もしてもらおう。
麗加は屋上を去った。
後日、麗加は仁に検査をしてもらっていた。
精密な検査をした結果に仁が目を通す。
「ん~、特に大きな異常はないみたいだ」
「それなら良かった・・・」
麗加は仁のその一言にほっと胸をなでおろした。
「いろんな事が一気にありすぎて疲れが出たんだろうね」
麗加は表情を曇らせうつむいた。
その様子に気がつき仁は続けて声をかけた。
「ほ、他に気になることはない?」
麗加はこの前の頭痛の事を言おうかと思ったが、疲れが原因だと思い言うのをやめた。
「んん。大丈夫!」
麗加が笑顔で答える。
「ん。」
仁も安堵の表情を浮かべた。
「もうしばらく休養して様子を見ようか」
「はい」
麗加は診察室を出て病室に戻った。
仁は一人になってからもう一度麗加の診断書に目を通した。
「この数値は・・・」
そこに実は、一つ異常な数値が出ていたことに疑問を抱いた。
麗加は病室の窓から外を眺めた。
あの、豪という青年はあれからどこへ行ってしまったんだろう。
彼は、自分を改造してまで仇を取ろうとしている。
彼を駆り立てるものはなんなんだろう。
麗加はE-note(電子手帳)を開き、日記のページに書き込みを始めた。
それはあの日豪に合った日から始まっていた。
自分の身に起きた様々な出来事、謎の力。
これらが自分にとってどんな意味があるのか・・・。
今までにない経験をし、最初は何気なく書いていたのだが、次第にそれは麗加自身の答えを探すために書き綴るものになっていた。