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どうしても嫌いな作品があります

作者: タイラ
掲載日:2026/08/14

 私は自己中心的な作品が嫌いです。


 作者の願望が透けて見えてくるような、登場人物たちへのリスペクトが感じられない作品が嫌いです。


 他人を見下し、簡単に命を奪うような主人公も嫌いです。

 自分を一体何様だと思っているのかと、反吐が出そうになります。


 死ぬ間際に世に向けての恨み言を吐く主人公も嫌いです。

 死への恐怖から来る「リアリティ」という言葉を免罪符に、必要ない事まで好き勝手言う姿を見たくないからです。


 主人公が自分で全く行動しないくせに、勝手に都合よく物事が進んでいく作品も嫌いです。

 主人公という人間に対して、失礼だと感じてしまうからです。

 主人公というキャラの魅力を、表現できなくなってしまうと感じるからです。

 作風やキャラの人柄、表現にもよりますが、「何もしなくていい」は、人間キャラに対する最大の侮蔑だと思います。


 性的要因だけとしか見られていない、人格の薄い女性キャラも嫌いです。

 女性というものを何だと思っているんだと、どこからともなく腹が立つからです。

 作風にもよりますが、あからさまに女性の事を舐めていて、都合の良いよう操られているように感じる表現は嫌です。

 同様の理由で、女性に都合の良すぎる男性キャラも苦手です。


 個人的な苦悩だけを棚に上げて、たまたま得た力を過剰に振りかざすような人物も嫌いです。

 宝くじで当たった札束でぶん殴ってるようにしか見えないからです。

 他の人が苦悩していないとでも思っているのでしょうか。


 本来善人であるはずの人を、無理やり悪人として描こうとしている作品も嫌いです。

 「慕われている勇者が実はクズで」とか、「慕われている清純な娘が実は腹黒くて」みたいな。

 それを主人公や味方が簡単に切り捨て、その人を慕っている周りの人たちまでバカとして書いていたりすると余計に憤りを感じます。

 いくらでも魅力的に書ける人物を、主人公のただの引き立て役として消費するのはあまりにも勿体ない。

 無理に悪人にして、一瞬のショックの為に消費しないであげてほしい。


 これは個人論な意見ですが、友人に一人、高い行動力と自信家ゆえに、一部からは嫌われてるけど、一部から絶大に信頼されているめちゃくちゃカッコいい人がいるんです。

 なので、その人を負の面でしか見てないような感覚に陥ってしまうので悲しいです。


 復讐という言葉を、やたらと便利に使う作品も嫌いです。

 やられたらやり返すという考え自体は悪いとは思いませんが、被害妄想混じりの何倍返しは、相手が気の毒に思えてなりません。

 相手がたとえ救いようのないクズだったとしても、過剰にそれを意識し、執拗にやり返しているのを見れば、所詮は同じ土俵なんだなと思ってしまうからです。


 それに、復讐なら、寄り道をせずに真っ直ぐ、スッキリとした復讐をしてほしいと思ってしまいます。

 復讐という目的があるはずなのに、余計な欲望に乱される主人公は見ていて辛いです。

 なんだか、復讐相手のほうがよっぽど真面目に生きてるように見えてなりません。


 要するに、半端に人間の尺度を持ちながら、人間とは思えない所業を平気で行なっている様が嫌いなんですよね。



 はっきり言ってやりたい。

 創作くらい、本当の理想の主人公を書けばいいだろと。


 上のよりもっとカッコいいやつが、いっぱいいたはずです。

 今までの人生で一人は、本当に尊敬できて、憧れた存在がいたと思います。

 実在する人間でも、漫画、ゲームのキャラだっていい。

 その尊敬は、信念と行動の元に成り立っているもののはずです。


 創作は、それを書いていいんですよ。

 自分が到底なれないような、高潔で、素晴らしい存在を書ける。

 泥にまみれて、それでも足掻き続けるヤツも書ける。

 いや、逆にいっそ振り切って、創作の中だけで認められるような、半端で無駄なリアリティを削いた本物の狂人を書いてもいいかもしれません。


 それらを書いていたほうが楽しいと、私は思っています。


 私は、一切の妥協をせず、作者が持てる知性と思考の全てを詰め込んだ作品が好きです。



 現実じゃ私だって、所詮は上の嫌いな奴らと同じ土俵です。


 ──だからこそ、「創作の世界」で、何を書く?

 ここまで言っておいて、実際にこんなふうに感じた作品は数えるほどしか無いんです。


 また対となる、「自分の作品が心の底から好きな全ての人へ」も合わせてご一読くださると幸いです。

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― 新着の感想 ―
どうしても嫌いな作品があります わたしのかな?とビビってます。 因みにわたしの場合。 好きな話は「作品」 嫌いな話は「商品」
とても興味深く読ませていただきました。 僕自身あまりたくさんの作品を読みまわることはしないのですが、アニメとかで放送されているものでも、ただの流行りモノだったり、ただ胸が大きい女性だったり、ただの俺ツ…
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