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さよならアルビダイヤ

 ギルドへ帰り、報酬を受け取った俺は、報酬を3等分にして、2人に分けた。

 そして俺はCランクの相手でも勝てるということが証明され、EランクからDランクをすっ飛ばし、Cランクへと上り詰めた。これであの2人と同じランクになった。影では色々と調子に乗ってきたが同じランクなら何も言わないだろう。

 そして前回のデスナイト戦と今回のクエストの分で、貯まったスキルポイントを水魔法に振る。覚えたのはウォーターショットと、ウォーターカッター。どちらもかなり初心者でも扱えるような、少し弱い呪文だ。だが、今はそれでもいい。攻撃のレパートリーを増やせれば、それで。

 そしてスキルポイントを振り終わったらいつも通り家に帰るだけなのだが、今日はさっき見つけた図書館に行こうと思っている。戦場でも一番大切なのは情報だ。

 早速2人を先に家に帰らせて図書館に行こうとしたのだが、

「私も読みたい本があるからついてっていい?」

「我も魔王すら吹っ飛ばすような、最強の魔法を見つけたいのだ!ついて行ってもいいか?」

 コイツらもついてくることになった。ていうか魔王すら吹っ飛ばす魔法なんてあるわけないだろう。あったらとっくに誰かが魔王を倒しているだろう。やっぱり中二病だな、こいつ。


 そういうわけで図書館にやってきたのだが、本が多すぎる。

 どの本も気になる情報がたくさん載っている。

「こ、これは!今の我よりも強力な魔法!フフフフ、フハハハハハ!」

「お客さん、図書館ではお静かに」

「あ、すいません」

 早速うるさいやつが注意されている。いやいや、そんなことよりも今は情報だ。

 〝魔王の居場所は魔王城という城で、そこに行くためには四天王を全員倒し、それぞれ4つの鍵をある場所で使うと、魔王城へと行ける。ちなみにある場所とは誰も知らない場所だ。〟

 ふむふむ。やはり図書館は情報の宝箱だ。メモ帳を持ってきて正解だった。これはとにかく情報を書き写さなければ。


 それからも俺はモンスターだけでなく、ハンターの職業やスキルについても色々と調べた。予想通り、様々な情報があった。

 その中から特に必要とする情報だけメモをする。

 そしてそれを今後に活かしていく。これが大事だ。


 そんなこんなで集中しまくってたら夜になっていた。メラたちは先に帰ると言っていた。

 腹が減った。何か作ってくれてればいいのだが。あんまり期待するべきじゃないな。特にメラ。あいつは目玉焼きですらダークマターを生み出す天才だからな。

 キララに関しては……よく分からないな。


 家に着くと2人がお出迎えをしていた。

「おかえり〜」

「ふっ、ようやく帰ったか」

「あぁ、ただいま」

 軽く挨拶をし、リビングへ行くと、美味そうな料理が机に並んでいる。

「これは一体……?」

「これは我が作った。味は期待してもいいぞ〜」

 ではいただくか。キララの料理を口に運ぶ。

「めちゃ上手い……!!」

「フハハハハハハ!そうだろう、そうだろう!やはり我は何でもできるパーフェクトな存在なのだな!」

 これに関してはマジで上手い。こいつ料理人になったほうがいいんじゃ……!


「久しぶりにこんなに食ったな〜」

「あんた、クエスト終わったあとの打ち上げでもあんまり食べてなかったもんね〜」

「ところで明日は、Bランクのクエストに行こうと思っている」

「えぇ〜……」

 メラがいかにもめんどくさそうに言う。

「もう俺らも全員Cランクだ。簡単そうなクエストならばいけると思うが……」

「キョウ、貴様は知っているか。Cランクまではチュートリアルだということを!」

 知ってる。それもさっき図書館で見た。

 どうやらCランクまでは基本的にほとんどの人がたどり着く場所らしい。だが、Bランクはちゃんとしたパーティーを組んでから討伐に向かうべきらしい。じゃないと普通に死ぬこともあるんだそうだ。決して油断しないこと、と書かれていた。まぁ、足を引っ張るとしたらこの2人だろう。

「……ん?あんた今、どうせ私たちが油断して足を引っ張るって思ってたでしょ」

「いや別に……」

 こういうところは鋭いんだよなぁ、こいつ。

「言っとくけど私たちは足なんて引っ張らないわよ!逆にあんたが足を引っ張りそうなんだけど!」

 その隣で、うんうんと頷いているキララ。こいつらは自分がどのくらいやばいのか理解してないな……。


「結局ついてきてるじゃないか」

「だって、私たちが行かないって言ったら、1人でBランクのクエストに行くって言ったから、しょうがないでしょ!」

「そのとおり、貴様だけ強い相手と戦い、目立とうとしているのは見過ごせない。常に強者と戦うのはこの我でないといけないと世界が言っている!」

 世界の声が聞こえるという特殊能力を持っているなら、ハンターなんかやらずに、他の職業に就いたらもっと稼げると思うんだけどな……。

「それで今回は何を討伐するの?私の強力な魔法で消し飛ばしてあげるわ!」

「いーや、どんな相手でもこの我が退治してくれるわ!」

「今回はBランクのモンスターじゃないぞ」

「「え?」」

「い、いやいやだってBランクのクエストに行くって……」

「そう、これはBランクのクエストだ」

「「?」」

「だから!今回の相手は本来ならDランクのモンスターだけど、それが大量発生して手に負えないからBランクのクエストになってるんだよ」

「なーるほどね」

「ちなみに今回討伐するモンスターはどんなモンスターだ?」

「今回の相手は木枯らしデビルだ。かなりすばしっこいやつだから近距離戦を磨き上げれるような気がしてな。あと人数不利の状況にも慣れておきたい」

「どんだけ近距離戦が好きなのよ、やれやれ」

「言っとくけどなメラ、お前だってほとんど近距離で戦ってるだろ。今回のクエストはお前のために来てやったと言っても過言ではない」

「はっ!私をなめてるわね、いいわよ!私の本当の力を見せてあげるわ──」


 と、見栄を張っていたのはいいものの、

「助けてー!キョウ様ー!」

 早速、数の暴力にボコボコにされて追いかけ回されている。

「(木枯らしデビル、厄介だな……。小さくて攻撃が当てづらい。しかもこいつは俺たちに触れると体力を吸収してくる)」

「メラ、相手は木の精霊だと思え。たくさん集まっているところを狙って魔法をぶっ放せ」

「わ、分かったわ!行くわよ!ファイヤーランス!」

 炎の槍が飛んでいく。そのまま木枯らしデビルを10体ほど倒した。

 だが、まだまだ全然数が減らない。あと数十匹はいる。俺も最近覚えたウォーターショットやウォーターカッターを使って戦ってはいるが、初級魔法だと一発では倒せない。効率が悪すぎる。

「キョウ!我の最大火力魔法の準備が整ったぞ!」

 先程から一切戦わずに俺たちの後ろで魔法を詠唱していたキララがようやく技を出してくれるようだ。

「よし、ぶっ放せ!」

「ああ!我こそが最強なのだ!行くぞ!スターライトメガプリズムスラッシャー!」

 名前なが!

 その中二病っぽい名前の技はエグかった。空に巨大な魔法陣を生み出し、光の斬撃のようなものがいくつも飛んで行き、一気に残りの木枯らしデビルを全員倒した。

「も、もう動け……ぬ、ぐふぅ」

 そう言い残しキララはぶっ倒れた。まぁ、あの威力の技ならきっと魔力の消費量が凄まじいのだろう。仕方ないので背負ってギルドに帰った──。


「はい、報酬の300000ギルドです!」

「どうも」

 あれからも節約生活を続けて、たくさんのクエストに行ったおかげか、残りの借金も200000ゼルトになった。

「もうすぐ借金返済も終わるわね!さっさと次のクエストに行きましょう!」

「ずいぶんと元気だな」

「もちろん!だってあの節約生活が終わるのよ?うれしくてテンションも上がるに決まってるじゃない!」

「フハハハハハハ!ということはもう次の街に行けるということだな!」

「ああ、ようやく進める」

 結局王都に行こうと決めてから2ヶ月以上経ってしまった。一刻も早く魔王を討伐して帰りたいと言うのに。

「じゃあこの街での最後のクエストを受けてくるわね」

「いや待て、俺が決める」

「なんでよ!今までぜ~んぶキョウが決めてきたんだから最後くらいいじゃない!」

「いーや、どうせお前はちょうど200000ゼルトくらいの報酬のクエストを受けようとするだろう?それじゃだめだ。次の街に行ったら宿はどうする?食べ物も買わないとだ、そういう事を含めたらもう少しいい報酬のクエストの方が良いだろう」

「いやよ!もう怖い思いはしたくないの!」

 メラ、こいつは本当に魔王討伐を目指しているのだろうか。

「Bランクごときでビビってたら魔王どころか、四天王にすら永遠に勝てないぞ」

「いいわよ私だけで勝てなくて!私は強〜いXランクのハンター様と組んでサポートだけして勝つから!」

 こいつは1回しか魔法が使えないのに、サポートなんて出来るわけないだろ、とツッコみたかったが、これ以上話しても何も進まないと思い、勝手に報酬が320000ゼルトのクエストを受けた。

「あぁ〜!勝手に、こいつ勝手に決めたわ!信じられない、信じられない!」

 うるさいこいつをおいてクエストに出かけようとしたが、ズボンにくっついて、ついてきた。


 そのまま順調にボスのいるダンジョンにつき、全員で袋叩きにした。

 報酬の320000ゼルトを受け取り、旅の支度をしていると……、

「もうこの家ともお別れか……、うぇ〜ん、さびじい」

 メラが泣き出した。というか鼻水が床に垂れてるからやめてほしい。汚いんだが……。

「別にいいだろう?このパーティーは全員別の街に行ったことがないから楽しみじゃないか」

「い、言われてみれば……うふふ」

 ちょっろ、ちょろすぎだろこいつ。

「さぁ、次の街ではどのような敵と出会うのか楽しみだ!せいぜい我を退屈させないでくれよ」

「そんなに言うならAランクのクエストとか受ければいいだろう?」

「い、いやそれは、Aランクは一流のハンターしか討伐できないレベルだ。だ、だから、その……」

「……ビビってるんだ」

「な、何を抜かす!?そんなことはない!」

 分かりやすいな。


 俺は片付けも終わり、メモ帳を取り出す。

「何を書いているの?」

「次の街での目標だ」

「ふ、貴様が目指すもの、見せてみろ!」

 俺は2人に書いたメモを見せる。

・パーティーメンバーをもう一人増やす

・ちゃんとしたいい宿で宿泊する

・中級魔法を覚える

・新しい武器を作ってもらう

「ざっとこんなものだろう。」

「「おお〜」」

「て、いうかまたメンバーを増やすの?」

「当たり前だ。今のままで魔王に勝つなんて夢物語だ。あとこういうメンバーは基本的に4人という決まりがある。俺の中で」

「あんたの中かい……」

「ではいい宿を見つけていい仲間を見つけるという目標だな。いいだろう協力してやる」

「してやるって言ってるがそれは当たり前だよな?」

「うんうん」

「す、すまなかった……」


 というわけで俺たちの新たな物語が始まる……んだけどこれ、ほんとに魔王倒せるのか?

 まぁゆっくり進んでいこう──。


 と思った矢先、とんでもない奴と遭遇したり、意味分からんやつが仲間になったりと色々あることを俺たちは知らなかった──。

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