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2人に教育

 キララのランクはメラと同じくCランクだそうだ。職業は魔法使い。コイツも魔法というものがカッコよかったから魔法使いになったらしい。ただ、キララはメラとは違い回復魔法が得意で、それ以外にもたくさんの魔法が使えるらしい。

 ようやく異世界らしい能力を持った仲間ができた。

 ……中二病だが。


「さて、まずはお前の実力を見てみたい。まだ、日が沈むまで数時間ある。今からクエストに行くぞ」

「フハハハハ。貴様らに我の実力を見せる時が来たか。では、存分に見せてやろうではないか」

 自信に満ち溢れている。いい事だ。

「じゃあ、このCランクのゾンビナイトの2体討伐クエストに行こうよ!」

 メラはこういう時だけはちょうどいいクエストを見つけてきてくれる。いつもこうあってほしい……。

「では!早速行こうではないか!」


 てなわけで、早速ダンジョンに来たんだが、今まで対峙してきたCランクのモンスターの中で1番強そうだ。俺の本能がそう告げている。


 ゾンビナイト。もともとはある王国を守る騎士だったらしい。ところがあるモンスターの襲撃によって命を落としたそうなのだが、そのモンスターの能力なのかは知らないがゾンビになってしまったそうだ。


「さぁ、今回はキララの実力を確かめるために来たクエストだ。俺たちは遠くから見てるからな」

「ああ、任せておけ!行くぞゾンビナイト!ライトニングスパーク!!」

 彼女が魔法を唱えるとゾンビナイトめがけて、空から雷が落ちた。その雷は1体のゾンビナイトを跡形もなく消していた。だが、もう1体は生きている。そしてキララに向かって走ってくる。

「ほう、この私とじかにやりあいたいと……。いいだろう!受けて立つ!」

 そう言うと腰から短刀を取り出した。

 まさかこいつ。魔法も使える上に剣術まで兼ね備えているのか。

 そう期待していたのだが…………。

 全然だめだな。ゾンビナイトの剣による攻撃を受けた。そこまでは良かったのだが普通に短刀をふっ飛ばされていた。

 筋力が少なすぎるな。いや、メラといすぎて俺の感覚がおかしくなっているのだ。普通は魔法使いは魔法で戦うのにほとんど杖でぶん殴るだけのメラがおかしいのだ。

「くっ!なかなかやるようだな。だがゾンビごときに我が敗れるものか!さぁ、喰らうがいい!我の最強魔法を!スターライトメガプリズ……」

 随分と長い魔法を唱えようとしていたが、ゾンビナイトに斬られてしまった。幸い服の中に鎧を着ていたおかげで、肉は斬られてなさそうだが……。いや、少し斬られてるな、出血してる。

「(そろそろ、助けるか……)」

 そう思っていたのだが、

「ヒール!」

 キララがそう唱えると身体から緑色の光が滲み出た。次の瞬間にはキララが立っていた。さっきは痛そうにしていたが、立ち上がった。あれが回復魔法なのだろう。俺も一応覚えてはいるが、未だに使ったことがない。

 キララは呪文を詠唱しようとしているが、またしてもその隙にゾンビナイトに斬られた。そして再度回復魔法を唱えて立つ。

 ずっと魔法が唱えられなくてもはや泣きそうになっているキララが少し可哀想に思えてきた。というか、今回はキララの実力さえ知れればいい。決して助けてはいけないというわけではない。

 というわけで隠密スキルでこっそりゾンビナイトの背後に回って一瞬で討伐した。

 キララ。コイツは使え……るのか?


 ギルドに帰った俺たちはゾンビナイトの討伐報酬を受け取り、飲食をしていた。

「ぷっはーー!やっぱりお酒は最高ね〜」

「飲み過ぎだ。少しは節約しろ」

「別にいいじゃない。新しい仲間が増えたのにお祝いしないほうがおかしいのよ」

 お祝い自体は別にやったっていい。ただ俺が言いたいのはほとんどお前が酒を飲んで、キララが遠慮していることだ。

「キララ、お前も少しは飲め。これはお祝いだから気にするな」

「ふっ、我は……その、お酒など飲まんのだ」

 恥ずかしがっている。何か隠しているな。

「…………」

「な、なんだ。我を見たところで何も、ないぞ」

「お前、もしかして、お酒が飲めないのか?」

「そ、そそ、そんなわけ、な、ないだろう」

 動揺しまくってるってことは、確定だな。

「我のことを疑っているが、貴様も飲んでいないではないか!」

「俺はまだ16だ。酒を飲める年齢じゃない」

「あら?お酒なんて15歳から飲めるじゃない」

 ん、そうなのか?

「私だってまだ16、つまりキョウと同い年よ」

 この世界のルールは日本とはだいぶ違うんだな。

「なら、キララも飲めるんじゃないのか?」

「い、いや我はまだ酒があまり好きではなくてだな。そ、それと我は今は14歳なのだ」

「「若っ」」

「つまりお前は中二病でもありロリでもあると……」

「お、お前らと2歳差だろう!そんな子供を見るような目で見てくるな!あとロリとは何だ!我はロリではない!」

 そんなこんなでパーティーがずいぶん明るくなったわけだが、これからどうなることやら。なんか嫌な予感がするのはきっと気のせいだろう。

 そして飲んで食べて、夜が明けた──。


「起きろ」

「「うーん、むにゃむにゃ」」

「起きろ!2人そろっていつまで寝てるんだ」

「「ふわぁ〜」」

 なんかこの2人、似てるな。寝癖のつき方とか、起きるタイミングとか。

「朝ごはんは用意してあるから、さっさと食え。そしてクエストに行くぞ」

「「はぁ〜い」」

 この2人は怠け者すぎる。一緒にいると調子が狂う。


 昨日、キララはいつも馬小屋で寝ていると言っていた。それが可哀想に思ったのか、メラが一緒に住もうと言い出した。

 そしてベットが2つしかなく、1つは俺が、そしてもう一つのベットで2人が寝た。

 時計を見る。もう9時半だ。いつもこんな時間まで寝ているのだろうか。だとしたらマイペース過ぎる。


「あれ、キョウは食べないの?」

「俺はもうとっくに食った」

「早いのだな」

「お前らが遅いだけだ」

「じゃあ食い終わったらギルドに来い。いい感じのクエストを見つけておく」

「「はぁ〜い」」


 俺はいつもと違う道でギルドに向かった。一応この町をすべて見ておこうと思ったからだ。そこは今まで来たことのない道だ。

 その道で俺は少しでかい家を見つけた。窓から覗いてみると、たくさんの本が並んでおり、カウンターに人がいる。きっとここは図書館なのだろう。

 情報はたくさん欲しい。後でクエスト終わりにでも寄って帰ろう。

 そう思いながらギルドにつき、いい感じのCランクのクエストを受け、あいつらが来るまで待つ──。


「随分と遅かったな」

 俺がギルドに来てから1時間以上待たされて、ようやく2人が来た。

「いやー、デザートを食べてくつろいでいたら、すっかりクエストの事を忘れててね。だから急いできてあげたのよ」

 急いできてあげた、だと。こっちは1時間以上待ってやったんだぞ。コイツはまた今度口の利き方というものを教えやらないといけないな。

「はぁ、とっととクエストに行くぞ」

「我にすべて任せておけ。一瞬で敵を消し炭にしてやろうではないか!」

「やっちゃえやっちゃえ〜」

「いや、今回は俺一人で戦う」

「「え?」」


 今回のクエストのダンジョンは、古い闘技場のような場所だ。障害物も何も無い場所だ。

「全く、キョウったら、ただ見てるだけでいい。そして見て学べ、な〜んてカッコつけちゃって」

「あぁ、だがあいつが言うのだ。きっと我がさらに強くなれるようなものを見せてくれる気がするぞ」

「いやいや、私たちのほうがランクは上なのよ?私たちが教えてあげる側なんだから」

「そ、そういえばそうだったな。…………あ、来たぞ」

 俺の目の前に歩いてきたのは、Cランクの中でもかなり上位に君臨する〝デスナイト〟。近距離戦の実力ではCランクのトップと言っても過言ではない。

 今回のクエスト内容はこの闘技場をもう一度使えるように工事がしたいのだが、デスナイトのせいで工事が出来ないから討伐してきて欲しい、というものだった。報酬は250000ゼルト。2体で200000ゼルトだったゾンビナイトとはわけが違う。

 今回俺が一人で戦う理由は、単に剣心の影響で俺がどのくらい強くなっているのか知りたかったからだが、もう一つ理由がある。

 それはあの2人に近距離戦の立ち回りを教えてやることだ。メラはほとんど杖で戦うし、キララも呪文を詠唱するのにかなりの時間を使う。その隙に間合いに入られると、キララは短刀で戦う。だが、近距離戦があまりにも下手くそだ。だから少しでもコツを教えて戦えるようにしたいと思ったのだ。

 デスナイトは腰から剣を抜き、ゆっくりと歩いてくる。俺もそれに合わせてナイフを抜き歩く。

 睨み合う中先に仕掛けたのはデスナイトだ。凄まじい速さの突進。だが俺は床の砂を蹴る。そしてヤツの視界をつぶす。その間にサイドに回り込む。だが、そこはさすがCランク。すぐにこちらに斬り掛かってくる。それに合わせて攻撃を避ける。そして攻撃ではなくヤツのコテを外す。コイツは鎧をまとっている。おそらく、というか確実にナイフでは攻撃が通らない。だからといって毎回毎回こんな危険を犯してコテを外し攻撃を入れるなんてことはしない。

 そう──毒だ。俺はヤツの腕に毒を打ち込む。

 そして一気に距離を取る。俺の持ってる毒はすぐには毒が回らない。少し待つ必要がある。本来ならばここで逃げ回ればいいのだが、今回は他にも目的がある。

 俺はデスナイトを切り合いに持ち込む。そして剣心の強さをここで実感する。おそらくだが、今までの俺ではかなり苦労しただろう。だが今は違う。かなり簡単に相手の攻撃をすべて防ぐことができる。しかも俺の攻撃は鎧に傷をつける。つまり切り合いではCランクのモンスターよりも上ってことだ。

 しばらく切り合っているとヤツの体が鈍くなり、倒れた。そしてめちゃくちゃにもがいている。毒とはそういうものだ。

 デスナイトの死亡を確認して観戦していたメラとキララの元へ向かう。

「少しは分かったか?」

「うん。分かりはしたんだけど、何であんたEランクなのに2個もランクが上のデスナイト相手に無傷で完封してんのよ!しかも毒なんてどこから持ってきたのよ!」

「毒とはな、いいではないか。かっこよさはないが……。しかし、さすがに卑怯ではないか?」

「この世界に卑怯もクソもない。生きてたやつが勝つんだ」

「ふっ、なるほどな。いいことを知った。これで我はもっともっと強くなれる!」

「……じゃあ報酬は全部俺のってことで」

「「ふざけんな!」」


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