表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

プロローグ

※残酷な描写あり

「──さあ、目を覚ましてください勇者様! 世界を救う番ですよ!」


 その言葉と、頭にゲシゲシと走る衝撃に、はっと飛び起きた。

 なんだ、と周囲を見渡す。

 と同時に、首筋に冷たい何かが当たる。

 動きを止める。

「すぐに周囲を警戒する、流石はプロですね!」背後から声がする。「──殺し屋さん?」

 女の声。同業者か? 瞬時に巡り出すその思考を、

「私は殺し屋ではありません」

 その声が打ち消し、途端に冷静になる。

 はっと、目を見張った。──ここはどこだ?

「ここはどこ……いい質問ですねぇ」

 まるで俺の思考を読んだかのように、女が言う。

「ここは罪人に裁きを与える場所……そうですねぇ、あなたの世界で言う裁判所、といったところでしょうか」

 目の前にあるのは、まるで映画のセットのような神殿、何だここは? 寝込みに連れてこられたのだろうか。

「ここは映画でもセットでもありません」声が言う。

「──異世界です」

 俺はゆっくりと口を開く。

「……何が目的だ?」

「おや、心の声が聞こえますよ〜。信じていませんね」

 俺はもう一度、ゆっくりと口を開く。

「何が目的だ?」

「ふふ、あなたのような頭の固まった猿には、見せたほうが早いようです」

 声が言う。

「──私についてきてください」

 女が神殿へと歩き出す。……武器がない。きっとさっき首筋に当たったのは俺のナイフだろう。

 仕方なく俺もついていく。

 神殿の中に入ると、そこには大きな鏡があった。


 鏡を見る。そこに写し出されていたのは、血まみれで倒れ込む人間だった。それは紛れもなく俺自身だった。見ると、片目を切断され、腹に深い刀傷、腕はほぼ断たれていた。

 女が言う。

「これは元の世界のあなたです。あなたは敵と戦闘中、味方の裏切りによって死亡しました」

「皮肉ですね。仲間に裏切られて死ぬなんて。まぁ、私にとってはどうでもいいですが!」

 明るい笑顔で言う女に少しムカついた。だが、我慢する。今元の世界に帰るにはこいつの力が必要不可欠だ。

「いやいや、あなたはもう元の世界には帰れませんよ」

 完全に思考を読まれている。

「本当に、帰れないのか?」

「ようやく信じてきましたね」

 死んだ俺を見せられたら、そりゃ信じてしまうだろう……。

 それは俺、─宮崎境みやざききょうが本当に敵と対峙して、仲間に裏切られて死んだという記憶が曖昧だが、確かにあるからだ。

 「そんなあなたに朗報です!」

 絶望している俺に、相変わらず明るい口調で女が語りかけてくる。

 「私、実はある世界を管理する女神様なんですよー。そしてその世界が今かなりピンチなんです。けれども、私自身が直接世界に関与する事はできません。なので、私に代わって世界を救ってきてください!そしたら、なんと!報酬として日本に帰らせてあげますよ」

 まじか。確かに日本には帰りたい。だが、そのために俺が一つの世界を救わないといけなくなるとは。

 「大丈夫、殺し屋のあなたならば魔王を倒せると思いますよ!」

 あまりにも無責任すぎる。だが魔王を討伐する以外に日本に帰る方法は無さそうだ。

「なぜ俺なんだ?他に候補はいないのか?」

「いやー、今までは死んだ人から適当に選んでいましたが、どうしても序盤に死んでしまうんですよ」

 こいつ。自分の世界さえ救えたら、他の世界の人間なんてどうでもいいってか。まぁ、殺し屋の俺が言えないことだが。

「さぁ、納得していただいたのなら、そろそろ異世界へ……」

「……はぁ、分かった。魔王を討伐してくる。そしたら約束通り元の世界に返してくれるんだな?」

「えぇ、必ず!」

 最後まで明るいやつだ。

「では、頑張ってくださいねー!」

 女が俺の足元に魔法陣が生成する。そして、魔法陣が強い光を放つ。

 その光に俺は包まれた──。

初めまして!東雲慎です!初めて小説を投稿してみました!と言ってもまだまだ書き始めて間もない初心者ですが…。それでも、面白い作品を投稿していきたいと思っておりますので、どうか何卒、よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ