表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おしどり。  作者: kui
4/4

4.『死亡フラグ』

「ここは俺に任せて先に行け~」

「……………」

「俺、この戦争が終わったら結婚するんだ~」

「…………」

「もらった~! な、何!?」

「…………」

「我が生涯に一片の悔いなし!」

「それはちょっと違くないか?」


 そんなこんなで今日もいつものはじまりだ。




「それで今度は何をしてるんだ?」

 俺がそう尋ねると、ハルは目を輝かせながらこう言った。

「あのね! わ、わたしね! じ、自分がね! 最期どんな死亡フラグを言おうか考えてたんだ~!」

「なんで、そんなにテンションが高いんだ!?」

 こんなハルは今まで見たことが無い。

「だけど、なかなかいいのが見つからなくてさ~」

「そりゃあな。大体死亡フラグを言うやつなんて、大体ロクな死に方しないだろ」

「だから、カッチョイイのを考えてるんだよ~」

 ハルはぶすっと頬を膨らませた。

 これは俺が萌え死ぬ死亡フラグだろうか?

「大体、お前は死なねーよ。俺が守るから」

 我ながらキマったと思う(ドラッグ的な意味で)。

 すると、ハルは切なそうな顔をしながら俺を見た。

「ごめんなさい。こういう時、何て顔すればいいか分からないの」

「笑えばいい――」

「ふははははははは!」

「笑いすぎ――」

「そんな事より、死亡フラグを考えよ~」

 ……もういいや。

「恋人をかばって撃たれる~」

「まあ、普通にカッコいいな」

「喉がカラカラになった時に、カロリーメイトを食べる~」

「確かに死ぬな。主に喉が」

「期末テスト中に、壮大なおならをする~」

「死ぬな。テスト終わりの1分で」

「最期の試合~」

「死ぬな。燃えつきて」

「べ、別にあんたの事なんか好きじゃないんだからね!」

「死ぬな。萌えつきて。つーかさっきからカッコよくないぞ?」

「いやはやカッチョいいのは難しいね~」


 するとハルは両手を真上に上げて、降参のポーズをしながら机に突っ伏した。

「まこと考えて~」

「……俺のことは忘れて、新しい恋を見つけるんだ」

「し、死んじゃうよ~。腹筋が~」

「はるううううううううう!」

「死んじゃうよ~。鼓膜が腐って死んじゃうよ~」

「最期にお前の顔を見れて良かった……」

「目がああああ! 目がああああ!」

「やめろよ!? 泣くぞ!? 泣いちゃうぞ!?」

 すでに俺のライフは0を過ぎている。


「まあ、あれだね~」

「……何だよ?」

「死にたくないね~」

「そりゃそうだ」


「だからちゃんとわたしの事、守ってね」

「そのためにも一生、側から離れるなよ」






~同時刻~教室内のクラスメイト達。



『リア充死ねー!』


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ