第八十九話:大掃除
【注意事項】
本作品には自殺や精神的に重いテーマが含まれています。
読む際にはご自身の心身の状態を十分にご考慮ください。
心の不調を感じた場合は、無理に読み進めず、専門機関や信頼できる人に相談されることをおすすめします。
※この作品はフィクションです。登場人物・団体・事件はすべて架空であり、現実の自殺や暴力を肯定・助長する意図はありません。
I:「ありがとう。迎えに来てくれて。」
車を再び走らせる。
I:「全く、何だったんだ。神社から出てきたと思ったら、三人分の飲み物買って古墳の方で合流しようって?」
請負人:「実は…」
I:「え、っていうことは、あのおじいさん。依頼人だったのか?」
I:「あ…なんか悪いな。仕事潰しっちゃって。」
請負人:「いや、貴方は悪い事は何もしていません。それに私は別に人を殺したくてやっていないので、それにこれができるなら、この方が良いのですから。」
I:「そうか。あの、あかしとかいうやつどうなったんだ?私が見た時は心ここにあらずな感じだったけど。」
請負人:「彼はなんか吹っ切れたらしいですよ。今は館で寝ていますかね。」
請負人:「じゃあ、いつも通り、これを。」
I:「また、このピエロのお面かよ。これつけていると寝にくいだよな。」
請負人:「まあ、良いから。良いから。」
請負人:「じゃあ、帰りますよ。館に。石川。」
石川:「はいよ、ダンナ。じゃあ、着いたら起こしてくれ。」
それから数時間後、
請負人:「着きましたよ。」
石川:「…んん、」
請負人:「よし、じゃあ、メンツがそろったところで大掃除しましょう。」
あかし:「誰だよ?あんた?」
石川:「全く失礼なやつだ。挨拶したでしょ?ダンナがアンタにこの館の説明をしたときに、まあ、アンタはその時、覚えているかは知らんけど。」
あかし:「…あ、あの時は」
石川:「ダンナからなんとなくの話しは聞いている。改めて、私は石川 漣。自殺請負人の協力者です。普段はネットを使った情報収集や道具調整の補助、雑務をやっています。基本的には2階の自室に籠ってる。請負人とは一年前からの付き合い。お金が貯まるまでの間働かせてもらっている。ダンナは…」
請負人:「そこまでです。無駄口たたかないで、手を動かしなさい。」
石川:「へいへい、ダンナ。とにかくよろしく。」
年末の冷たい空気が、窓を開け放った室内に流れ込む。
雑巾の水を絞る音、掃除機の低い唸り、階段を上り下りする足音が、家の中を忙しなく行き交っていた。
二階の廊下では、石川が埃をまとった古い段ボールを引きずり出し、請負人は黙々と棚の上を拭き上げていく。
しばらくして、
請負人:「よし、2階の大掃除終了。一階はどうですか?あかしさん。」
あかし:「あと、キッチンだけ、」
キッチンからは、食器が重なる乾いた音と、換気扇を回す低い振動が返ってくる。
請負人:「じゃあ、私は一旦、正月休みにしますからね。石川さん、年末年始の館の留守番よろしくです。貴方はどうしますか?」
あかし:「久しぶりに赤林町に帰っても良いか?」
請負人:「しかし、そのかばんは持ったままでお願いしますよ。」
あかし:「分かってる。」
石川:「まかせろ。じゃ、よいおとしを。アンタたち。」
あかし:「よい、おとしを」
請負人:「では、よいお年を」
いつもご愛読賜りまして、誠にありがとうございます。
重く深いテーマに向き合いながらも、登場人物たちの物語はなお続いております。
彼らの心の揺れや選択の行く末を、これからも温かく見守っていただけますと幸いに存じます。
一歩ずつ前へ進む姿を、読者の皆様と共に感じられますことを心より願っております。
次回も変わらぬご厚情を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
次回もまた、どうぞよろしくお願いいたします。
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次回更新日:1月11日更新および今後の連載についてのお知らせ
作者の高熱のため、当面の間、休載とさせていただきます。
作品を楽しみにしてくださっている皆さまには、ご迷惑をおかけし誠に申し訳ありません。
再開の目処が立ち次第、改めてご報告いたします。
何卒ご理解のほど、よろしくお願いいたします。
御礼:「自殺請負人―依頼は、命の終わらせ―」を応援してくださった皆様
お読みいただき本当にありがとうございます。
一話でも、一行でも目を通してくださった皆様にも感謝いたします。
本作は重いテーマを扱っていますが、ここまで続けてこられたのは、読者の皆様の存在あってこそです。
今年もお世話になりました。本当にありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
みなさまにとっても良い一年でありますよう、心よりお祈りいたします。
よいお年をお迎えください。
文責 マイライト




