第七十四話 夕暮れに約束を重ねて
【注意事項】
本作品には自殺や精神的に重いテーマが含まれています。
読む際にはご自身の心身の状態を十分にご考慮ください。
心の不調を感じた場合は、無理に読み進めず、専門機関や信頼できる人に相談されることをおすすめします。
※この作品はフィクションです。登場人物・団体・事件はすべて架空であり、現実の自殺や暴力を肯定・助長する意図はありません。
坂本:「お前たち遅くなってすまない。そして、ありがとう、俺を待っててくれて」
坂本:「よし、じゃあ始めようぜ。いつもとは少し違う、いつも通りの補習を」
坂本:「そういう時だからこそ、お前はいつも通りでいることが大事だろ。今がチャンスだ、今彼女は一番誰かにそばに居て欲しいと思っていると思うから」
腰山:「……先生、じゃあさ。久保田が“いつも通り”でいるって、具体的にはどうしたらいいんすかね?」
長谷川:「そうだな。久保田って案外、不器用だからさ。ほっとくと一人で抱え込むし。……だから、まぁ、俺らでもできることがあれば手伝うよ。」
坂本:「ふたりとも、いい友達だな。だが——最後の一歩は久保田、お前が決めるんだ。」
腰山:「あぁ、背中くらいならいくらでも押してやる。倒れそうなら支えるし、逃げんなって時は引っ張る!」
長谷川:「……でもさ。告白って“完璧なタイミング”とか“正しい言葉”とか、そういうのじゃないと思う。久保田が本気で伝えたいと思う気持ち、そのまま言えばいいんじゃないか?」
坂本:「そうだ。相手が弱ってる時こそ、優しさはまっすぐ届く。難しく考えるな。“そばにいるよ”って、それだけでも十分な時がある。」
腰山:「久保田。お前なら言えるだろ、ちゃんと。」
長谷川:「うん。ずっと支えてきたの知ってるしな。……大丈夫だよ。」
久保田は、二人の言葉にゆっくりとうなずいた。
胸の奥にずっと重く沈んでいたものが、少しずつ溶けていくようだった。
久保田:「お前たち、ありがとう!」
坂本:「よし、じゃあ、約束通りババ抜きするか。お前たちの進路を聞きながら、」
4人で静かに沈む夕日を眺める。
風は少し冷たいけれど、心は温かい。
久保田:(心の声)
(こうして見る景色も、きっと忘れられない――)
腰山と長谷川も、それぞれの思いを胸に、静かに笑った。
友情と少しの恋心が交差する、春の温かな夕暮れだった。
互いに拳を合わせ、笑い合う。
冬の帰り道で感じた寂しさも、焦りも、すべてが報われた瞬間だった。
久保田:「これで……進路も決まったし、また一緒に帰ろうな。」
腰山:「当たり前だろ。」
長谷川:「うん、これからもな。」
久保田:「今日は色々ありがとうございました。坂本先生」
坂本:「柄にもねえこと言ってんじゃねえよ」
放課後、
福田:「坂本先生、こんなに遅くまで」
坂本:「今日は徹夜だ。」
3人は久しぶりに並んで帰った。
外は暗く、風は冷たいけれど、心は温かい。
久保田:(心の声)
(本当に、みんなと一緒に歩ける日が来たんだ……)
3人の足取りは、受験という壁を越えて、少しずつ大人へと近づいていく未来を感じさせた。
夜の風が冷える。補習が終わって家へ向かう途中、久保田はスーパーの明かりの前で、ひとり立ち止まっている深見を見つけた。
深見は手に小さな買い物袋を下げて、街灯の光の中でぼんやりと空を見上げていた。
久保田は胸の奥がぎゅっと縮むのを感じながら、そっと近づく。
久保田「……深見?」
深見が驚いたように振り向く。
その目には、少しだけ疲れが滲んでいる。
いつもご愛読賜りまして、誠にありがとうございます。
重く深いテーマに向き合いながらも、登場人物たちの物語はなお続いております。
彼らの心の揺れや選択の行く末を、これからも温かく見守っていただけますと幸いに存じます。
一歩ずつ前へ進む姿を、読者の皆様と共に感じられますことを心より願っております。
次回も変わらぬご厚情を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
次回もまた、どうぞよろしくお願いいたします。
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【お知らせ】今週の更新について
いつも作品を読んでいただき、ありがとうございます。
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作品自体は継続して執筆しており、来週以降の更新に向けて準備を進めています。
再開予定:12月21日(予定)8話更新。
これからも温かく見守っていただければ幸いです。
引き続きよろしくお願いいたします。




