第七十二話: 影の伸びる廊下で
【注意事項】
本作品には自殺や精神的に重いテーマが含まれています。
読む際にはご自身の心身の状態を十分にご考慮ください。
心の不調を感じた場合は、無理に読み進めず、専門機関や信頼できる人に相談されることをおすすめします。
※この作品はフィクションです。登場人物・団体・事件はすべて架空であり、現実の自殺や暴力を肯定・助長する意図はありません。
20分後:
福田:「ごめん、ありがとね。坂本先生今日は特に忙しいから、じゃあ伝えておくね。いつ頃までいるの?」
久保田:「放課後くらい。」
福田:「分かった。伝えとく。」
腰山:「…だろ?」
長谷川:「たしかに!」
長谷川:「おッ!」
腰山:「遅かったな、久保田どうだった?」
久保田:「ごめん、福田先生に捕まってた。坂本先生は今日は忙しいって、でも放課後までは待ってみようぜ。」
腰山:「はいよ、せっかく午前中に報告をすませて、午後からゲーセン行く予定だったのに」
長谷川:「まあ、私は一日空けているから、平気だけど。」
久保田:「まあ、とりあえず、待つか。」
腰山:「じゃあ、始めますか。気になるし。」
長谷川:「しょうがないですね。」
腰山:「じゃあ、まず言い出しっぺの俺から」
腰山:「俺は、合格通知書が無事届いて合格できたよ、」
長谷川:「おめでとう!腰山」
腰山:「ありがとう!長谷川!」
久保田:「やったな。腰山!」
腰山:「ありがとう。久保田。久保田はどうなんだ?」
久保田:「俺も無事第一志望の山工大合格だった。」
長谷川:「おめでとう。君の成績では推薦枠はありませんからね。」
久保田:「いやらしいぞ、長谷川、いいだろ別に。そんなのどうだって。」
腰山:「おめでとう。ちえ、つまんねえの」
久保田:「良いに越したことないだろ?」
長谷川:「じゃあ、最後か…」
「私は、第一志望の国信理学部電子機械学科には…不合格だった。」
「でも、第二志望だったフランス生物学科には合格した。」
腰山:「なんだよ脅かせやがって良かったじゃん。」
久保田:「おめでとう!やったな。」
久保田:「なんか、腹減ったし購買行こうぜ」
腰山:「そうだな。今日、カツサンド残ってるかなぁ。あれ人気すぎてさ。」
長谷川:「どうせ行くなら早く行こう。遅いとマジで何も残らんよ?」
腰山:「へいへい。じゃあ、購買競争スタートだな。」
久保田:「おい、それただの脅しじゃん!」
笑いながら三人は階段を駆け下りていく。
「お、久保田、それカツサンドじゃん。珍しくね?」
久保田はふっと笑って、カツサンドを一口。
パンの甘さとカツソースの味が広がって、少しだけ肩の力が抜けた。
久保田は表情を緩めた。
残りのカツサンドを軽く持ち上げて言う。
「……ありがとな。ほんとに。」
チャイムが鳴る。
久保田は最後のひと口をかじり、
胸の奥に小さく灯る緊張を押し込むように息を吸った。
長谷川:「じゃあ、待っている間にせっかくなので校内を歩きませんか?もう学校に入れる回数も多くないですから、それに、卒業式後だと人が混みあうから。」
腰山:「まあ、食後の運動でもするか」
久保田:「まあ、散歩だけどな。」
久保田が立ち上がった。
さっきまで教室中に漂っていた昼の喧噪が、今は少し落ち着いて穏やかだった。
長谷川は手ぶらでひょいと立ち上がる。
長谷川:「どこ行きます? 中庭? 体育館のあたり?」
久保田:「あー、中庭いいな。あそこ、この時間だと風がちょうど気持ちいいし。」
腰山:「渡り廊下のほうもいいぞ。今、陽が入り始めててさ。影が長く伸びて綺麗だったよ。」
いつもご愛読賜りまして、誠にありがとうございます。
重く深いテーマに向き合いながらも、登場人物たちの物語はなお続いております。
彼らの心の揺れや選択の行く末を、これからも温かく見守っていただけますと幸いに存じます。
一歩ずつ前へ進む姿を、読者の皆様と共に感じられますことを心より願っております。
次回も変わらぬご厚情を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
次回もまた、どうぞよろしくお願いいたします。
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次回更新日:11月30日 22時(社会情勢によって変動。)




