第七十話: 春雪の後
【注意事項】
本作品には自殺や精神的に重いテーマが含まれています。
読む際にはご自身の心身の状態を十分にご考慮ください。
心の不調を感じた場合は、無理に読み進めず、専門機関や信頼できる人に相談されることをおすすめします。
※この作品はフィクションです。登場人物・団体・事件はすべて架空であり、現実の自殺や暴力を肯定・助長する意図はありません。
それぞれの合格発表の日。
2月中旬~3月上旬。校内掲示板の前での緊張の面持ちで名前を探すそれぞれ。
山梨製鉄工芸大学(山工大)掲示板前
久保田は焦っていた。
(心の声)「やべー緊張して夜更かしし過ぎて寝坊した。」
久保田:「えーと、俺の番号はと…」
自宅にて、バイクが走るたびに、郵便受けを確認する。
腰山:「家じゃないか…」
数時間後、…ガコン、
腰山:「…来たか。」
国際信州学院大学(国信)掲示板前
長谷川:「…そうか。」
静岡大獣医大学(静大大)掲示板前
深見:「ふう…」
強く握っていた拳を少し緩めた。
久保田:「深見、よ!、どうだった?」
深見:「久保田君、じつは…不合格だった。」
久保田:「…そうか…」
深見:「…ごめんね。なんか悪くしちゃったね。」
久保田:「俺のほうこそ、ごめん。」
深見:「じゃあ、帰ろか。ありがとう。わざわざ忙しいのに来てくれて」
休み明け3月中旬。春の光が柔らかく差し込む。創立記念日の前日。
久保田:「久しぶり腰山、長谷川、一応聞くが明日大丈夫か?」
長谷川:「勿論」
腰山:「俺も大丈夫だ。」
久保田:「よし、じゃあ何時集合にする?」
腰山:「そうだな、午前中が良いかな?」
長谷川:「じゃあ、10時集合は?」
久保田:「オッケー、下駄箱前な、お前ら寝坊するなよ。」
腰山:「まあ、久保田も今日は良いが、当日は寝ぐせぐらい直して来いよ。せめて」
久保田:「うるせえよ」
長谷川:「フッ」
久保田:「長谷川、おまえ笑うな。」
創立記念日当日:校舎は開いていたが、人影は少ない。
下駄箱前、9時38分:
久保田:「俺が一番乗り…?」
トイレから、腰山が出てきた。
腰山:「久保田が2番目か。寝ぐせも大丈夫だな。」
久保田:「長谷川はまだか。」
腰山:「全く、あいつ時間にはルーズなんだよな。」
久保田:「そうだな」
久保田:「ま、校舎も空いてるし、いつもより静かだな。」
腰山:「ああ、こういう日くらい静かだと、落ち着くな。」
久保田:「授業がないだけで、こんなに気分が違うんだな。」
腰山:「俺も久しぶりに、何も考えずに過ごせそうだ。」
腰山:「でも、こうやって校舎にいると、なんか懐かしい気分になるな。」
久保田:「そうだな、去年の今頃も、創立記念日の前日はこんな感じだったっけ。」
腰山:「覚えてる覚えてる。俺ら、下駄箱前で長々と話してたんだよな。」
久保田:「ああ、結局何を話してたか覚えてないけどな。」
腰山:「たぶん、くだらないことだろうな。」
久保田:「でも、それが面白かったんだよな。」
腰山:「……久保田、お前さ、今年は何か目標あるのか?」
久保田:「目標か…そうだな、もう少し計画的に行動することかな。」
腰山:「おお、久保田が計画的?想像できねえな。」
久保田:「言われるのわかってたけど、少しは成長しないとな。」
腰山:「まあ、口だけじゃなくて行動で見せてくれよ。」
久保田:「ああ、任せとけ。」
腰山:「そういや、春休み中にどっか行ったか?」
久保田:「うーん、特に遠出はしてないな。近所の公園くらいか。」
腰山:「俺もそんな感じだな。外に出るより、家でのんびりしてた。」
久保田:「お互い、インドア派だな。」
腰山:「ああ、たまには外に出るのも悪くないけどな。」
いつもご愛読賜りまして、誠にありがとうございます。
重く深いテーマに向き合いながらも、登場人物たちの物語はなお続いております。
彼らの心の揺れや選択の行く末を、これからも温かく見守っていただけますと幸いに存じます。
一歩ずつ前へ進む姿を、読者の皆様と共に感じられますことを心より願っております。
次回も変わらぬご厚情を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
次回もまた、どうぞよろしくお願いいたします。
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次回更新日:11月30日 14時,18時,22時(社会情勢によって変動。)




