第六十六話:四人の教室
【注意事項】
本作品には自殺や精神的に重いテーマが含まれています。
読む際にはご自身の心身の状態を十分にご考慮ください。
心の不調を感じた場合は、無理に読み進めず、専門機関や信頼できる人に相談されることをおすすめします。
※この作品はフィクションです。登場人物・団体・事件はすべて架空であり、現実の自殺や暴力を肯定・助長する意図はありません。
翌日
開口一番に腰山と長谷川は口を揃えて尋ねてきた。
腰山:「久保田、昨日はナイスだっただろ?」
長谷川:「今度なんかおごれよ?」
久保田:「悪いな、気を使わせたな。分かったよ、じゃあ、参考書なんかおごってやる。」
腰山・長谷川:「は?なんでそうなるんだよ(笑)。」
久保田:「じゃあ、今日の帰り、補習が終わったら、久しぶりにみんなで帰ろうぜ!」
腰山:「良いのか?深見さんは?」
久保田:「今日、深見さんは塾の夏合宿の準備をするための買い物を母とするらしい。」
腰山:「へー良く知ってるじゃん。」
久保田:「…いいだろ、別に、怒るぞ。」
長谷川:「…おっと、もうすぐ授業だ、じゃ、また放課後な」
放課後:
補習の時間が近づくころ、廊下から教室を見ると坂本先生が腕を組んで立っていた。
ガラガラガラ
教室に入ることに恐怖を覚えていると
腰山が後ろから背中を押してきた。
「じゃあ、頑張れよ。」
坂本:「よし、久保田。今日はちゃんと覚悟してきたか?」
「はい……まあ、その……」
腰山:「昨日はありがとうございました。」
坂本:「おー、腰山、長谷川いやいや、気にするな。この後2人はどこか行くのか?」
長谷川:「お、やってんじゃん。久保田、頑張れよ。じゃ、俺たち外で待っているから」
腰山:「いや、久保田と久しぶりに一緒に帰ろうと思って。」
坂本:「そうか、よかった。」
腰山・長谷川「??よかった?」
坂本先生が腰山と長谷川に近づいていった。
坂本:「?、良いんだぞ、お前たち参加しても、お前たちもやるか?」
腰山:「いや、いいです、いいです。十分ですよ。先生。な、十分だよな長谷川?」
長谷川:「そうですよ、何言ってるんですか、先生、ばっちりですよ。」
坂本:「まあ、まあ、やって損することはないから、お前たちも参加な。」
腰山・長谷川:「えー!先生勘弁してください。」
坂本:「いいからいいから」
そういうと、教室の扉を閉めた。
「じゃあ始めるぞー!」
坂本先生の大きな声で、補習はスタートした。
先生は黒板に問題を書きながら、ちらりと私を見る。
「久保田、昨日はスマンな。だが今日は逃がさんぞ」
「は、はい……」
その後ろで、腰山と長谷川がひそひそ声で笑っている。
「久保田、顔が真っ青」
「いけるいける。深見さんが来れば回復するのにな。」
「うるさい!」
だが不思議と、嫌ではなかった。
そんな場の空気が、少しだけ安心させてくれていた。
坂本:「お前たちがこうやって、並んで座っていると去年を思い出すよ。去年は三人とも俺が受け持っていたのにな。授業数が多くなってしまってな。」
問題に答える度、正解だったときなんて、ほんの少し嬉しそうに微笑んでくれた。
――その笑顔が、何より力になっていた。
しばらくして、
「よし、少し休憩だ。ついてこい。」
坂本:「お前たち、進路どうするんだっけ?」
久保田:「俺、学芸員になりたい。本を沢山読んで、昔の美術品や書物に興味を持ったから、好きなことで生活したいから。」
腰山が少し照れた表情で告げた。
「俺は警察官目指すことにした。親父も元警察で。まあ、影響されちまったって感じっす。」
長谷川は苦笑しながら続ける。
「俺は難しいかもしれないけど国信(国際信州学院大学)に行くために勉強してる。」
「ま、まだ結果はわからないけどな」
いつもご愛読賜りまして、誠にありがとうございます。
重く深いテーマに向き合いながらも、登場人物たちの物語はなお続いております。
彼らの心の揺れや選択の行く末を、これからも温かく見守っていただけますと幸いに存じます。
一歩ずつ前へ進む姿を、読者の皆様と共に感じられますことを心より願っております。
次回も変わらぬご厚情を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
次回もまた、どうぞよろしくお願いいたします。
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次回更新日:11月23日 14時,18時,22時(社会情勢によって変動。)




