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自殺請負人ー依頼は、命の終わらせ方ー  作者: マイライト
迷える少女

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18/65

第十八話:ジャーナリスト 川端 千代の急な一日

【注意事項】


本作品には自殺や精神的に重いテーマが含まれています。


読む際にはご自身の心身の状態を十分にご考慮ください。


心の不調を感じた場合は、無理に読み進めず、専門機関や信頼できる人に相談されることをおすすめします。


※この作品はフィクションです。登場人物・団体・事件はすべて架空であり、現実の自殺や暴力を肯定・助長する意図はありません。

「あー疲れた、今日の取材も大変だったー!」でも、これで記事かけるぞ。


私の名前は川端かわばた 千代ちよ。ジャーナリストで、今は裏の情報から表のニュースまで、すべての情報を網羅し記事にして売っている。


連日の取材と執筆作業でへとへとだった私は、打ち上げと称して昨夜、ジャーナリストの知り合いの安村さんと一杯やった。明日は待ちに待ったオフの日。


何をしようか考えながら眠りについた翌日、10時ごろに着信音で目が覚める。


――――


真田:「川端、すまない。一つ頼めるか?」

川端:「なに、治。せっかくの休暇なのに」

真田:「今、小島さんという少女が自殺しないよう見ているんだ。その役目を変わってほしい。俺は緊急の招集がある。だからマンションの1412号室に来てほしい。夕方までには戻る。頼む、千代」

川端:「…分かった。すぐ行く」

真田:「小島さんから受け取った鍵は郵便受けに入れておく。すまないな」


ラジオからは軽快な音楽とニュース。

『今日の運勢、第三位ふたご座。誰かを助けると良いことがあるかも』

「助けるねえ……」


30分後、私は到着した。鍵を持って部屋に入ると、小島ちゃんは机に突っ伏して寝ていた。


私は彼女の部屋を見回す。机の上にはノートが積まれ、棚には読みかけの小説。ベランダの方はカーテンが風に揺れ、さっきの緊張がまだ残っているようだった。


「勉強か、真面目だねー。私はガキの頃、勉強なんかほとんどやらなかったなー」


小島ちゃんがゆっくりと目を開ける。

「……ごめん、起こしちゃった?」


寝ぼけ眼でこちらを見る少女に、私は柔らかな笑みを浮かべた。

「いえ、大丈夫です。……あの、お姉ちゃんは誰? お兄ちゃんの友達?」


「私は川端千代。あのお兄ちゃんの代わりに、今日はあなたと一緒にいる人。そうね……お兄ちゃんとは、友達ってところかな。あんたは?」


「私は小島 冬香。1412号室に住んでいる中学2年生です」


少女の目には、まだ警戒と戸惑いが揺れている。私は気取らずに続けた。

「宿題してたの?」


「はい」


小島ちゃんは答えながら、何か言いかけて口を閉ざす。その沈黙を埋めるように、私はリモコンを手に取り、テレビを点けた。


ニュースのアナウンサーが淡々と読み上げる声が部屋に流れる。


――「ただいま入ってきた情報によりますと、紫林町で強盗事件が発生した模様。犯人は昨年の強盗事件にも関与しており、現在の動機は不明ですが、過去に容疑者は『自分の人生にどうでも良くなった』と語っていました。」


小島ちゃんの視線が画面から私へ移る。そして意を決したように口を開いた。

「……怒らないの?」


読んでくださり、ありがとうございます。








重いテーマに向き合いながらも、登場人物たちの物語はまだ続いていきます。




彼らの心の揺れ動きや選択を、これからも見守っていただけたら嬉しいです。




一歩ずつ前に進む姿を一緒に感じていただければ幸いです。








次回もまた、どうぞよろしくお願いいたします。




次回更新日:2025年8月31日(日) 18時

次回予告:貴方は同じ立場ならどうしますか?

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