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自殺請負人ー依頼は、命の終わらせ方ー  作者: マイライト
迷える少女

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16/65

第十六話:重なる思い。

【注意事項】


本作品には自殺や精神的に重いテーマが含まれています。


読む際にはご自身の心身の状態を十分にご考慮ください。


心の不調を感じた場合は、無理に読み進めず、専門機関や信頼できる人に相談されることをおすすめします。


※この作品はフィクションです。登場人物・団体・事件はすべて架空であり、現実の自殺や暴力を肯定・助長する意図はありません。

真田は現場に飛び出した。


署に向かう途中、信号待ちの間にスマホで通報内容や過去の通報履歴を確認する。到着後、すぐに作業できるよう準備を整える。


署に着くと、班員たちはすでに通報者への確認を終え、防犯カメラ映像もチェック済みだった。署内は静かで、コピー機の音や電話の呼び出し音だけが響く。休日出勤は少数精鋭。真田は資料を手に取り、手順通り作業を始める。心の片隅には、川端に任せた小島さんのことが常にある。


まず通報者への電話で状況を確認する。声のトーンは落ち着かせ、必要な情報だけを正確に聞き出す。


「店内に不審者はいましたか? 被害はどの程度ですか?」

「はい、怪我人は2人で、現金だけ少し持って行かれました」


電話を切ると、真田は隣の班員と資料を照合し、防犯カメラ映像をさらに確認する。帽子とマスクで顔を隠した不審人物が映っており、行動パターンや服装を過去の事件データと突き合わせると、同一人物の可能性が高いことが分かる。


真田:「住所と通報履歴は特定できたか?」

班員:「はい、この人物は昨年の強盗事件にも関与しています。住所も確認済みです」

真田:「その時の動機は、いじめで働けなくなり、金を盗んだ…」


真田は警備課と連絡を取り、逮捕の段取りを整える。無線で現場の警備課員に指示を出す。署内は静かだが、緊張感が漂う。班員たちも無駄口を控え、各自の作業に集中する。


「防犯カメラ映像、もう一度時系列で確認するか」

「了解。こちらも過去記録を照合し直します」


電話応対、資料整理、防犯カメラ確認、過去記録照合――作業は一つずつ積み重なり、時間が静かに流れる。窓の外では日曜の街が穏やかに広がる一方、署内では班員の目と手が正確に動く。


数十分後、警備課から無線で報告が入る。


「容疑者宅での逮捕完了。抵抗なし、怪我人なし」

「動機は学生時代にいじめられて以来、人と関わることが怖くなり、働けなくなった。その結果、自分の人生にどうでも良くなり、犯行に及んだとのことです」


署内には微かな安堵が広がる。班員たちは資料を整理し、互いに軽く頷いた。


高坂:「すまんな。本来の担当が風邪で休んでしまって、新人しかいなかった上に、俺は会議の時間と重なって…もう、だいじょうぶだ。ごめんな」


真田は資料をまとめながら軽く肩をすくめる。

真田:「大丈夫です。無事に終わったなら、それで」


高坂は少しほっとしたように笑う。

高坂:「ありがとう。お前が来てくれたおかげだ」


真田は椅子を立ち、軽く頭を下げる。

真田:「では、俺はこれで失礼します」



読んでくださり、ありがとうございます。








重いテーマに向き合いながらも、登場人物たちの物語はまだ続いていきます。




彼らの心の揺れ動きや選択を、これからも見守っていただけたら嬉しいです。




一歩ずつ前に進む姿を一緒に感じていただければ幸いです。








次回もまた、どうぞよろしくお願いいたします。




次回更新日:2025年8月31日(日) 12時

次回予告:さすがに登場しないのはダメなのかと思って・・・

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