TRPGで使ったPC達を深掘りしてみた(芸人編)
呼吸が苦しく、動悸が止まらない。
玉のような汗が滴り落ちている。
助けて…。助けて。死ぬ。このままだと死ぬ。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦……。
俺は声にならない叫びを上げて助けを求めていた。
返事すら返ってこない。当然だ。誰もいないのだから。
勤務先の工場の物置で備品チェックをしていたところ、外側から鍵をかけられ、閉じ込められてしまった。
閉所がかなり苦手な俺は、発作を起こしてしまっていたのだ。
犯人の見当はついている。
おそらく職場内での横暴さで有名な上司の仕業だろう。
いじめの標的にされていた同期をかばい、ターゲットが俺に切り替わってしまったのだ。
それ以降、度々こうした嫌がらせを受けるようになった。
今回は、少し度が過ぎている。
このままいくと、本当に死んでしまうかもしれない。
すがる思いである人物に電話をかける。
10分できてくれた。
「……無事か?」
クールな第一声と裏腹に青ざめた表情でそいつはやってきた。額には脂汗を浮かべ、荒い息をゼェゼェと吐いている。
俺の不幸の原因であり、幼馴染で会社の同期である。
ありがとうって言いたいのにパニックで言葉が出ない。話せないって結構不便だな。
沈黙が続いた。
鉛のように重くなった口をモゴモゴ動かしながら、か細い声でそいつは言った。
「…困ってたら、いつでも言ってくれよ…?助けられてばかりは性に合わないから。」
ただ首を縦にゆっくり振った。
罪悪感を感じているのか、落ち着くまでずっとそばにいてくれた。
30分ほど経った時、ようやく気持ちが落ち着いて感謝の言葉を伝えられた。家まで送ってもらい、風呂に入ってすぐに布団に潜り込む。
長くいてもあいつに気を遣わせるし、転職先考えなきゃな。
YouTubeでもやって見るか?面白そうだしw
横になりながら、そうぼんやりと空想に耽っていた。
時刻は早朝4時。あまり寝ている時間は無さそうだ。
異常かもしれないが、これが日常だった。
その後、ストレスによる精神疾患を患い、彼に感謝しても仕切れないほどの救済を受けるのだが、それはまだずっと先の話である。




