表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

994/1123

ep10.『聖母と道化、その支配人』拘りの理由

「私が勝手に使ってただけだから─────────」


水森唯の言葉に何処か引っ掛かるものを感じた俺はこう聞き返す。


「ん?それってさ、もしかしてホントは自分の眼鏡じゃないってこと?」


俺の言葉に対し、水森唯が一瞬ビクリとしたように感じた。


「あー確かに!!なんかわかるってカンジ!」


上野がいきなり大きな声で相槌を打つ。


「なんかさ、女子中学生の選ぶ眼鏡のフレームじゃ無いって思ってたんだよね!」


レトロ風なコーデって言うにはアンバランス過ぎるし、という上野の言葉はもっともなものだった。


「なんかさ、お爺ちゃんが着けてる眼鏡みたいだなーって思っててさ────────」


そこまで言いかけて上野はハッとした様子で慌てて自分の口を押さえた。


「……あ、ゴメン。disるつもりとかじゃなくて……」


ううん、と水森唯は静かに首を振った。


「上野さんがそう思うのも無理はないわ」


だって、と一呼吸置いて水森唯はこう続けた。


「あれはお父さんの眼鏡を勝手に使ってただけなの──────────────」


父親の眼鏡?


確かに、水森唯に全く似合ってなかった前の眼鏡は父親のものだと言われたらなんとなく納得出来た。


数十年前のような古めかしいデザインの眼鏡。


レトロ風・エモいと言えば聞こえはいいが───────実用するにしてはただの骨董品、度のあってない古い眼鏡でしかない。


それをどうして?


俺は水森唯の次の言葉を待った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ