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ep10.『聖母と道化、その支配人』直訴ショータイム

それから俺達は商店街の中心部を歩く。


アーケードの屋根の向こうに大きな看板が見えてくる。


レトロなマスコットキャラクターがシンボル的に使われている看板。


俺達は店頭の様子を無言で眺めた。


平日の午後だが、客入りはそこそこに思えた。


中高年の女性が主な客層だろう。


店の前にはワゴンが並び、千円均一のPOPが掲げられた真下に合皮のバッグがギュウギュウに投げ込まれている。


六十代後半と思われる女性の二人組が熱心にバッグの品定めをしている様子が目についた。


昔ながらの田舎的な雰囲気の店舗ではあるが、今でもそれなりの規模ではある。


それは───────────今でも衰えない力を持った水森唯はの祖父そのもののように思えた。


俺と水森唯は東館の一階に足を踏み入れる。


カウンターの後方、『東館案内』と書かれたパネルを見る。


一階は婦人衣料、主に肌着のようなものを扱っているようだ


場違い間MAXの俺はかなり気恥ずかしい。


二階は学生服、三階はミシンや糸などのソーイング関係、四階はボタンやレースなどの資材、五階は布地の売り場のようだ。


この近辺じゃこういったジャンルを扱う店としては最大規模だろう。


水森唯の表情が強張っていくのがわかる。


だけど。


ここまで来たんだ。引き返す理由なんて何も無いはずじゃないか。


俺は水森唯の手を握り、小さく呟いた。














「────────────大丈夫だ。俺がついてるだろ?」






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