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ep10.『聖母と道化、その支配人』現実への反撃

「それって」


俺が反応するより早く水森唯は言葉を繋げた。


「……浮気してたの。不倫よ。最低ね」


吐き捨てるようにそう言った水森唯の瞳には────────言葉とは裏腹に強い決意のような意志が見て取れた。


浮気か。


確か、水森唯の母ちゃんは元アイドルだったって話だよな?


ご当地アイドルでありながら、全国へ挑戦する足がかりも得た有望株だったって聞いた気がするが──────────


そのチャンスを捨ててまで水森唯を出産し、家庭に入る道を選んだんだ。


それなのに。


介護と育児を全て一人で背負わされ、挙げ句の果てに浮気されてるのか。


水森唯の母親の心情を察するに余りある。


母ちゃんがおかしくなるのも当たり前だろう。


あれ?じゃあさ、もしかして全部水森の父ちゃんが悪いんじゃね?


だけど、と水森唯は続ける。


「私も何も行動を起こせないでいたの。臆病で勇気がなかったのよ」


水森唯の言葉に対し、俺はそれを否定する。


「何言ってんだよ。俺達は中学生だろ?出来ることなんてたかが知れてるじゃないか」


俺がそう言うと水森唯はこう答えた。


「……そうじゃないの。私しか居なかった。そう、助けはいつでも求めることが出来た筈なのよ」


え?と俺が聞き返すと─────────────水森唯は意味深な言葉を発した。











「……頼みの綱は無い訳じゃなかった。お母さんの実家。そう、お母さんの父親─────────私の祖父なら」


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