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ep10.『聖母と道化、その支配人』ストロベリーシロップの躊躇い

「チョコとストロベリーの二種類があるんですけど!わたしのオススメの食べ方はですね!」


店員がズイとカウンターから身を乗り出す。


「両方頼んでカップルで分けっこするんです!」


二種類あれば写真撮る時も映えますしね!と力説する店員に対し、どうリアクションしていいかわからない俺はただ呆然とするしかなかった。


「……は、はあ……」


水森唯は多少店員に気押されているようだったがなんとか反応する。


「……え……あ、そうなんですね。……じゃあ店員さんオススメのそれを───────」


水森唯がそうオーダーすると店員は満面の笑みでそれを受けた。


「はい!ポッピンスペシャルサンデーのチョコとストロベリーですね!」


今ならテラス席が空いてますよ!どうぞ!と店員が俺意気揚々と俺達を案内する。


テラス席ってあれか?外なのか?


まあどこで食ってもいいんだけどさ。


「すぐにお持ちしますので!しばしご歓談くださいねっ!」


妙なテンションのまま店員が去ると水森唯はホッとため息をついた。ご歓談てなんだよ。


「……ビックリした」


ボソリと呟いた水森唯に対し、俺も相槌を打つ。


「まあそうだな。まさかゲーセンで貰っただけの無料券なのにこんなに大サービスなんてなぁ」


俺がそう言うと、水森唯は首を横に振った。


「……ううん。そうじゃなくて」


え?と俺は聞き返す。


「スペシャルサンデーが特盛ってことか?」


食べ切れなさそうだったら俺が残りを食べようか?と俺が言うと水森唯は驚いたように俺の顔を見た。


「……そうじゃないの」


じゃあ何が、と俺が言いかけた瞬間、水森唯は意外なことを口にした。













「……店員さんにカップルと間違われて─────────佐藤君がそれを否定しなかったこと」





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