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ep10.『聖母と道化、その支配人』キャンディシャワーの暴力

俺はもう一度その店員を見た。


明るく快活な雰囲気のイマドキの若い女性といった印象だ。


名札にはこれまたカラフルな色遣いで『Y♡U-A・S@』と書かれている。


なんの暗号だろうか。


最近、店員の名前を覚えて帰ってネットで個人情報を調べるストーカーが居るってよく聞くよな。


トラブル対策で店員の本名を名札に書かない店も増えてきたとも言うし────────────


まあ、そういうこともあるんだろう。


「この無料券は店内のどのメニューにも使えちゃうんですよ!」


店員はウキウキとした様子で俺達にそう説明する。


「ここだけのハナシ、一番高いメニュー注文しちゃった方がお得かもです!」


おいおいおい、いいのか?全然ナイショじゃないんだが?


俺は横に居る水森唯をチラリと見た。


緊張しているのか、最初はポカンとした様子だったが徐々に表情が明るくなる。


「そうなんですか。じゃあどれが店員さんのオススメですか?」


水森唯の質問に対し、店員は待ってましたと言わんばかりにメニューを取り出した。


「わたしのオススメは!この期間限定メニューの『ポッピンスペシャルサンデー』ですっ!」


俺と水森唯はメニューを覗き込む。


プラ製の容器に入った特盛のそれは、喫茶店のパフェのようにも思えた。


てか、パフェとサンデーの違いってなんだ?俺にはさっぱりわからない。


カラフルなシールが貼られた容器にアイスがふんだんに詰め込まれ、トップの生クリームには色とりどりのチョコスプレーとゼリービーンズがこれでもかとトッピングされている。










まさに色彩の暴力だ。なんなんだこれは。

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