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ep10.『聖母と道化、その支配人』突然差し込まれた情熱

なんだコイツ!??


店員はなおもマシンガンのように持論を述べる。


「本来、“プリアリ”は一年のみの放送予定の作品でした。しかし、あまりの視聴率低迷と玩具の売れ行きの低迷具合に一時は放送打ち切りの危機に陥るのです。その窮地を救ったのが途中加入した隣国のプリンセス・ソナタ姫で─────────」


どういう訳か水森唯はうんうんと頷いている。


「更に中盤以降に登場した敵国の王子・オペラ王子とその弟オラトリオ王子が女性視聴者の間で話題になったことから視聴率が急上昇します。更に主人公であるアリア自身が覚醒するイベントに付随して発売された玩具が脅威的な売り上げを記録したことから二年目・第二シーズンの制作が決定したんですね」


わかります、と頷いた水森唯は相槌を打った。


「オペラ×オラトリオのファンアートや薄い本もこのジャンルでは一番多いですもんね」


うんうん、と店員もそれに同意する。


「世間では幼女向けアニメと思われていますが、女性ファンも多いのが“プリアリ”の強みでもありますね。高額な価格帯のアクセサリーをはじめ、大人女性向けのコスメのコラボもありますし─────────」


店員はクイっと眼鏡を上げた。


ええ、と水森唯は反応する。


「……そうですよね。多くのファン層に支えられて何年もシリーズ展開していますし、最早女児向けアニメの範疇を超えてますよね。海外だと日本以上に人気も高いと聞きます」


なんなんだ、コイツらはなんについて語っている?


戸惑う俺をよそになおも店員は“プリアリ”の海外展開について熱く語りはじめた。


「ライセンス契約済みの正規商品がフランスやイタリアなどの国でも販売されていますね。こちらでは販売されていない独自の商品もあって海外人気の高さも窺えます。それに、海外でのアニメイベントでのコスプレイヤーの多さも群を抜いていて────────」


店員が熱く語り、水森唯も熱くそれに反応する。


「わかります!私、海外勢のコスプレ画像を見るたびにため息が出ちゃいます……!この前見たエール王子のコスプレをしていた海外のレイヤーの方がまるで二次元から飛び出してきた本物みたいで思わず保存して待ち受けにしちゃってて」












おいおいおい。コイツら一体、何について語ってるんだ───────────────!?

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