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ep10.『聖母と道化、その支配人』 存在しない三角関係

マジでめっちゃ食いついてくるな?

それで、と更に力を込めてグイと水森唯がこちらを見る。


「……小泉先生の推しはどの子なのかしら?」


おいおいおい、なんだよ。そんなに重要な話題なのかこれは?


自分で切り出したことにも関わらず、俺は若干の居心地の悪さを感じていた。


小泉にせよ、水森唯にせよ─────────女子はみんな顔のいいヒョロっとした色白イケメンが好きなんだな。


俺の脳裏にカラフルな髪色のゴチャゴチャとしたアニメのイケメン集団の姿がよぎった。


全員、ツラはいいかもしれねぇけどさ。喧嘩弱そうじゃねぇか。


女はみんなあんな男がいいってのか?


俺だったら、そうだな──────────────


鈴木先輩みたいにガタイがよくて喧嘩が強い男の方がカッコいいしイケメンだって思うんだけどさ─────────


だって鈴木先輩ほどのいい男なんてそう居ないぜ?この世の全てを手に入れたような存在じゃないか。


やれやれ、女ってのは────────顔でしか男を見てないのか?


少し暗澹たる気持ちになりながらも俺は力無く答えた。


「……ああ、よく知らんけど……なんだったかな、大……大豪……」


俺がキャラの名前を思い出そうと必死になっていると間髪入れずに水森唯がこう言い放つ。


「『大豪院ハルト』じゃない!?」


小泉先生ってハルト推しなのね!という水森唯の反応に俺はビビってしまう。


てか、推し活っていうやつ?女子って全員が誰か推してたりする訳なのか?


俺はやや引きながらこう答えた。


「なんかさ、前はゆずきゅんとかいうキャラを推してたらしいんだけどさ。なんか[担降り][推し変]てやつをしたらしくて────────」


「……!」


俺がそう言うと水森唯はハッとしたように動きを止めた。


え、と言葉を詰まらせる様子は何かが変だ。


「最初はゆずきゅん推しだったのに推し変したってこと……!?」


まるでそれが世界の一大事でもあるかのように大仰に驚く水森。


なんだよ、アニメの絵柄の男を簡単に乗り換えたりするのはギルティって意味か?


簡単に取っ替え引っ替えできるのが二次元のいいとこじゃねぇか。


何でそんなにオーバーな反応したりするんだよ。


やれやれ。

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