表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

73/1123

ep1.「呪いの宣告」 ヤリ放題の呪いとスキル?

どうやら俺は既に童貞を捨てていたという事が判明した。


急にそんな事言われても。

「短刀直入に言おう。お前は呪われている」


副担任の教師、小泉に美術準備室に呼び出された俺は耳を疑った。意味がわからない。


そもそも放課後に呼び出しがあったのも何かのお説教だと思っていた。


新手の嫌がらせだろうか。


悪いことをする子どもに『お化けが出るぞ』『バチが当たるぞ』と言って脅して宥めすかせる手法だろうか。

だとしたら程度が低すぎる。そもそも俺はそこまで子どもじゃあない。


もう14だしそんなお化けだの怪談だのにビビるような年齢でもない。


「用事はそれだけか?帰っていいか?」


うんざりして帰りかけた俺に小泉が追い討ちをかけるように宣告する。


「お前は忌み子だ。ちゃんと記録でも調べて裏取りもした。間違ってない」


小泉は古びた書物のような物を手に真っ直ぐに俺を見ている。


今年の春に短大を卒業したばかり、まだ二十歳そこそこの女教師である小泉は俺にとって苦手な存在だった。


いつも俺に対して睨みつけるような険しい視線を向けてくる。


忌み子だの呪いだの言われてもピンと来ないし何の興味も湧かなかった。


「じゃあ先生の神社でお祓いでも除霊でもやっといてくれよ。出来るんだろ?」


小泉が家業の手伝いとかで毎週日曜日は神社で巫女の手伝いをしているのは知っていた。

(公務員が副業してもいいのかどうか知らないが、家業の手伝いはセーフらしい)


「うちの神社では除霊はやっとらんぞ」


まあ聞け、と小泉はため息をついた。


「話は長くなるからな。まあ座れ。これでも飲め」


小泉は小型冷蔵庫から冷えたスポーツドリンクを取り出して俺の目の前に置いた。


美術準備室は本来なら倉庫のような役割の部屋のはずだが、小泉は冷蔵庫やら私物やらを勝手に持ち込んで自由に私物化していた。


快適にカスタマイズされたこの一室は完璧に小泉のマイルームとなっている。


アニメのフィギュアやグッズが飾られた部屋を眺めながら俺はスポーツドリンクに口を付けた。


「佐藤、お前は夏休みに童貞捨ててるな?」


俺は盛大に口に含んだスポーツドリンクを吹き出した。


「は!???」


スポーツドリンクは目の前に居た小泉の顔に派手に掛かってしまった。


「目に入ったろうが。気をつけろ」


小泉が俺を睨みつけながらタオルで顔を拭く。


俺は全力で首を横に振った。


「いやいやいやいや……やってない!やってない!」


濡れ衣だ。いや、濡れ衣という表現も何かおかしいのだが俺は断じてそんなことはやっていない。


小泉が俺を制止する。


「だから聞け。呪いだって言ってるだろう」


小泉は手に持っている書物のような物をパラパラとめくった。


時代劇とかゲームに出てきそうな雰囲気の和綴じの古びた書物だった。


「童貞を捨てる度に強制的に時間が戻されてしまう。それがお前の呪いだ」


意味がわからなかった。


そんな呪いなんて聞いたことがない。小泉は何を言ってるのだろう。


「俺が一回童貞捨てて時間を戻って来たって?」


小泉は黙って頷いた。


「正確には一回どころじゃないかもな」


意味がわからない。俺が何度も時間を行き来してるとでも?


「じゃあ何か?俺は知らない間に非童貞になってるって言うのか?」


「そうじゃない。何せ事後から数日間の時間を戻ってるんだからな。結局童貞のままだろう」


だが、と小泉は続けた。


「童貞を捨てる度に相手の記憶が消えて時間を戻せるというのは呪いという名のスキルかもしれんな」


なんだそれは。俺の記憶も消えてたら結局意味がないのでは?しかも捨てることも出来てねぇじゃねぇか。


「……はあ、スキルねぇ」


俺はぼんやりと呟いた。全くイメージが湧かない呪いとスキルだ。


誰かとヤッても相手の記憶には残らない上に時間まで戻る?どこのエロゲの設定だよとしか思えない。


第一、そんなスキルや呪いとやらが実在するなら犯罪ヤリ放題じゃねーの?


そこらの街中を歩いてる女を襲っても何やっても時間が戻って無罪放免?そんなバカな話ってあるか。


それどころか、この馬鹿な能力とやらが実在するなら強盗でも殺人でもやりたい放題、後で女を襲えば時間が戻ってノーダメージ?


俺は頭を振った。


俺は騙されねぇぞ?こんなのあってたまるかよ。犯罪者以外の何者でもねぇじゃねぇか。


なぜ小泉がこんな奇妙な話を俺に聞かせるのか。


にわかには信じがたい話ではある。しかし、なんとなくだが心当たりはあった。


俺は三日前の事をぼんやりと思い出していた。


このスキル使ったら何でもヤリ放題じゃん。うまく使お。


感想とか私信とか飲みの誘いとか貰えたら嬉しい。



「面白ぇじゃねぇの」「続き早く見せろ」って思ったらブックマーク、評価を5つ星頼む。

モチベが上がったら更新がめっちゃ早くなるかも。


ちょっとバイト行ってくるわ。じゃあな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ