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ep7『ドッペルゲンガーと14歳の父』 目に見える感情はいつも恋愛未満

ないない。絶対ない。

「は?」


俺が聞き返すと佐藤次郎(仮)はこう続けた。


「だってよォ、俺なんかが学校で女子に話しかけられるコトなんかゼンゼンないぜ?」


なんでお前ばっかモテてんだよォ、と俺の肩を小突いてくる佐藤次郎(仮)を適当にかわしながら校庭を見回しながら歩く。


「そんなワケねぇだろ。必要な会話しかしてねぇし─────」


それに、と俺は付け加えた。


「いつの間にか子作りしてる兄貴に言われたくねぇけど?マジで相手に心当たり無いのか?」


俺達は会話しながら注意深く校庭の端を観察しつつ歩く。


「マジでねぇって!絶対ねぇし!!」


佐藤次郎(仮)はブンブンと大きく首を横にフルスイングした。


「でもさ。なんだったっけ?……飲み会?とやらに女子も来てたんだろ?」


そう言いつつそっちだって女子と絡んでるじゃねぇか、と俺が言うと佐藤次郎(仮)は溜息をついた。


「そうは言ってもよォ、飲み会の女子なんかほとんどレイジか岬狙いみたいなもんだったしなァ」


……御月か。


まあ、御月はイケメンだから女子にモテるのも納得出来る。


それに岬京矢か。アイツもルックスいいもんな。


「レツナぐらいだぜ?俺に絡んでくんのってよォ」


アイツさぁ、なんでか知らんけどたまに菓子とかくれるんだよなァ、としみじみ呟く佐藤次郎(仮)の様子がおかしくて俺は吹き出した。


「天宮列奈か。まあいいんじゃねぇの?子どもには好かれてるってコトだろ」


「良くねぇよ。そのせいでシンジに目の敵にされてんだからよォ」


どうやら、向こうの世界でもシンジは天宮列奈のことを好きなようだ。


向こうの世界とこっちの世界。


共通する点もあれは全然違う点もある。


なんとも不可解な事ばっかりだ。


そんなことを喋りながら俺達は校庭をグルグル回った。


子猫は見つからない。


チャイムが鳴り、掃除の時間が始まった。(俺達の学校じゃ給食→昼休憩→掃除→5時限目って時間割なんだな。よその学校とは違うとこもあるかもしれない)


「しょうがねぇな。体育館裏の方に回って見つかんなきゃ教室に帰ろうぜ」


俺がそう言うと佐藤次郎(仮)もそれに同意した。


子猫のことも心配ではあるが、それ以上にこの状況の意味がわからない。


考えたくはないが──────コイツがこっちの世界に長居するハメになるのだとしたら、あまり目立つような行動はすべきじゃないだろう。(既に手遅れかもしれないが)


早めに切り上げるつもりで体育館裏に移動すると────────俺達より先にそこを陣取っていた人物に出くわした。











「……あれ?佐藤っち兄弟?どしたの?」



女子の会話がガールズトークって言うんなら男子の会話ってなんて言うんだろう?

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