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ep7『ドッペルゲンガーと14歳の父』 こども達には夢と可能性がいっぱい

あり得んだろ……

「処女懐胎ってのはよく聞くし絵画のモチーフとしても定番だが──────童貞で父親になったという話は初めてだな」


小泉は信じられないといった様子でそう呟いた。


「とうちゃん!だっこー!」


トコトコと歩いて来た男児がドッペルゲンガーに抱きつく。


「抱っこか?しょうがねぇなあ?」


ドッペルゲンガーはビールの缶を座卓に置き、男児を抱き上げた。


うん、こうして見ると確かに親子だ。


けど、全く意味がわからない。


なんでドッペルゲンガーがここに居る?


なんで子どもが生まれてる?


俺は頭を抱えた。


「可能性としては幾つかあるとは思うが──────」


小泉の言葉を遮り、ドッペルゲンガーが食い気味で捲し立てた。


「まあ、わかるぜ?信じられねぇっつぅのはよ?」


けどな、とドッペルゲンガーは言葉を続けた。


「俺だって散々考えたしよ、他の奴らも色んなコト言ってきやがったし──────」


ガイジなんか『俺が産んだ説』とか推してくる始末だしよ、とドッペルゲンガーのこぼしたエピソードに思わず吹き出しそうになった。


「『お前が産んだ説』?案外あり得るんじゃねぇの?」


「いや、まだあるぜ?レツナは『DNAがバグっただけで本当は弟』説を信じてるし────レイジに至っては『実はサイボーグ説』をマジだと思い込んでるしな」


「なんだそりゃ?面白すぎだろ?」


俺が堪らず吹き出すとドッペルゲンガーは今までに浮上した全ての仮説を挙げ始めた。


・『ドッペルゲンガーが自ら出産した』説(ドコの穴から出てきた?)……ガイジ


・『DNAがたまたま一緒になっただけで本当は生き別れの弟』説……レツナ


・『人間だと見せかけて実はどこかの博士が作ったサイボーグ』説……レイジ


・『何かの手違いが重なったけどそっくりなだけの全くの赤の他人』説……シンジ


・『アメーバみたいに細胞分裂した』説……キクコ


・『キャトルミューティレーションされて何かされた』説……リセ


・『精子からホムンクルスを勝手に錬成された』説……マコト


・『実は過去の自分自身』説……鏡花


・『これ自体が大掛かりなドッキリ』説……夢野くるみ


・『普通に女の子を妊娠させてシラを切ってるだけ』説……岬京矢


・『未来からタイムリープしてきた』説……ゆゑ姐さん


・『知らない間に逆レイプされてた』説……佑兄さん



挙げられた説はどれも突拍子も無いものでどうにも信じがたいものだったがそれよりも────────


「いや、なんでこのメンツ!?なんでコイツらがお前の息子に対してコメントしてんの!?」


ガイジ(概史のこと?同一人物か?)とか御月レイジは兎も角として──────


「夢野くるみ?!岬恭矢!?ほとんど絡みがねぇヤツじゃねぇか!?」


しかもなんだって花園リセまで!?なんだよキャトルミューティレーションって!?


「は?まあ、いつもフツーにこのメンツで集まってるし?」


ドッペルゲンガーは不思議そうに首を傾げた。


「集まってる!?さっき挙げてたメンバーでか!?」


全く共通点もなければ絡みもない。


……お前らはやんねぇのか?とドッペルゲンガーはごく普通に訊いてくる。


いやいやいや……


挙げられた仮説も意味不明だが、それ以上に集まってるメンツも集まる理由も不可解過ぎる。


「意味わかんねぇよ。さっきのメンツで集まる理由なんか1ミリもなくね?てか、接点も一切ねぇじゃねぇか」


そんなコトねぇだろ、とドッペルゲンガーはキョトンとしながらこう言った。








「俺ら、週一のペースで飲み会してっけど……」



飲み会!???

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