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ep7『ドッペルゲンガーと14歳の父』 緊急放送、裸とアルコール

小泉はわかってくれたみたいだけど……

「とにかく……何か妙じゃないか?」


俺がそう言うと小泉にもなんとなくその感覚が伝わったらしく─────俺達はしばらく黙り込んだ。


沈黙は意外に早く破られた。


不意に校内放送のチャイムが鳴り、ブツブツとノイズ音が混ざった甲高い声が頭上に流れた。


「……2年2組の佐藤君。至急職員室に来て下さい……繰り返します。2年2組の佐藤君。至急職員室に──────」


『え!?』


俺と小泉は顔を見合わせ、美術準備室を出た。


嫌な予感がする。


「センセェ、何か知らないか?」


「いや……何も……」


さっきの飲酒疑惑についてじゃないか、と小泉は不安げに俺を見た。


だとしたら、俺を呼び出したのは担任の加賀だろう。


どう考えても濡れ衣の誤解なんだが────────日頃の行いもあって、加賀には信じて貰えないだろう。


どうする?


そもそも誰がこんなイタズラを?


モヤモヤした気持ちのまま俺は考えを巡らせた。


俺達が職員室に向かう廊下を歩いている途中──────急に大きな声で呼び止められる。


「ねぇ!?佐藤っち、マジでアタマおかしくなっちゃったの!??」


俺と小泉が振り返ると───────そこに居たのは上野だった。


「は!?急になんだよ上野?」


喧嘩売ってんのか?と俺が聞くと上野はまるで珍しい動物を見るかのような視線で俺を見る。


「……佐藤っちさあ、いくらなんでも性癖みたいなのって学校では隠しといた方がいいんじゃない?」


「は!?性癖!?」


意味がわからない。


何の話だよ?!と俺が食って掛かるように聞き返すと上野はため息をついた。


「マジでさあ、小泉っちにメーワク掛けたらダメだよ?その様子だと怒られて反省したんだろうけど?」


さっきからコイツの言ってることがサッパリ分からない。


「どういう事なんだよ!?俺にもわかるように言えよ!?」


俺がややキレ気味に訊ねると上野は呆れたような素振りを見せながらこう呟いた。


「だからさあ。校内を裸で歩くのってもうやめてよねってコト。見てるこっちが恥ずかしいし」


佐藤っちがこんな人とは思わなかった、と言う上野の言葉に俺と小泉は同時に反応した。


『裸!?』


「まあ、正確には全裸じゃなくて裸学ランってコトになるんだろうケドさ。遅れて来た厨二病みたいで痛々しいじゃん?」


同じクラスって思ったら余計に恥ずかしいしさ、そーいうのもう卒業しなよ?と上野は俺に対し、諭すような口調でそう言った。


は!???


マジで意味がわからんのだが。











───────────俺が裸学ランで校内を歩いてたって言うのか?しかもワンカップ大関を飲みながら?

さっきからマジで意味不明なんだが。

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