表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

502/1123

ep6『さよなら小泉先生』 反撃の狼煙

何だろう、改まって。

「頼みごと?」


俺は聞き返した。


「そうだ。大切なことだからよく聞いてくれ」


小泉は俺に白い封筒を手渡してきた。


「何これ?ギフト券?」


和紙のような素材で出来ている封筒を開けてみる。


中には半紙のような素材で作られた──────人形(ひとがた)が二体入っていた。


「??」


俺がキョトンとしていると、小泉が説明を始めた。


「いいか?全てがお前に掛かってるんだ。まずは───────」


この人形(ヒトガタ)を持ってもう一度“鬼怒川鏡花”の所へ行ってくれ、と小泉はこともなげに言い放った。


「は!?」


「その次に─────どうにかして人形二体に鬼怒川鏡花の息を吹き掛けて貰うんだ」


「はぁ!?」


突拍子もない話に俺は面食らった。


「ゼンゼン意味わかんねぇんだけど……でも、何か意図があるんだよな?」


小泉は頷いた。


「そうだ。それからその人形(ヒトガタ)のうち一体を川に流し、もう一体は家に持ち帰って枕の下に敷いて寝ろ」


「……それで?それから次はどうするんだ?」


俺が尋ねると小泉はこう言った。


「どうって……それでお終いだ」


「ええ?!」


全く意味がわからない指示ではある。


だが、今の俺はそれに賭けるしか選択肢が無かった。


「上手くいけば……多分上手く行ってる筈だ」


小泉なだけに……奇妙な構文で話すのは辞めて欲しいんだが─────コイツがそう言うんなら多分そうなんだろう。


正直言って、小泉の話を全部理解できた訳じゃない。


けど、ここまで来たらもうやるしかないだろ?


「上手く行くかどうかは知らねぇけど、とりあえずやってみるよ」


俺はそう言いつつ封筒を仕舞った。


そうか、と小泉は頷いた。


「では次に、二番目の話だが───────」


小泉はそう言いながらまたポケットに手を突っ込んだ。


おいおい、今度は何を出してくるって言うんだ?


勿体ぶりながら小泉が取り出したもの─────それはさっき見た『何の変哲もないただの黒い石』だった。


「コレってさっきのヤツだろ?結局この石ってなんなんだよ?」


俺がそう訊くと小泉はこう答えた。


「なにって言われても答えるのが難しいんだが………要はお前に頼みたい二番目の件って言うのは─────」


[この石のことを覚えておいて欲しい]という事なんだ、と言いながら小泉は俺の手のひらにこの石を載せた。


「……覚えとくって言ってもさ。河原に落ちてそうな普通の石に見えるけど」


こういうのってさ、マンガやアニメとかゲームだと重要アイテムってなんか凄い感じの宝石だったりするじゃん?


“クリスタル”だの“水晶”だの“伝説の宝石”だとかさ。なんか特別な感じじゃん?


だけど目の前の石はどう見てもただの黒い石なんだよな。


「このままお前が『真実』に近付いて行ったなら─────何処かのタイミングでこの黒い石が出現する筈だ」


真実?


「俺が呪いを解いていく上で─────終盤なりボス戦直前でコレが出てくるって意味か?」


なんか急に大それた話になってきたな。


少しビビる俺に対し、小泉はこう付け加えた。











「だから、全ての鍵を握るこの石の出現と使用のタイミングに注意して欲しい」


めっちゃ重要アイテムじゃねぇか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ