ep6『さよなら小泉先生』 好奇心は猫以外も殺す⑥
なんで女子ってそういうこと言うんだ?
その言葉を聞いて─────どうしてだか俺はイラッとしてしまったんだな。
なんでだろう?
どちらかと言うと──────俺に対して肯定的なニュアンスで言った言葉じゃないか。
なのに、俺は自分でももう自分がわからなくなってたのかもしれない。
俺の事なんか何も知らないくせに。
勝手にわかった気になってんじゃねぇよ。
そのやり場のない感情を目の前の小泉(13)に全部ぶつけようとしてたんだろうな。
俺はやや乱暴に小泉(13)の身体から指を引き抜いた。
指に纏わりついた透明な蜜が糸を引いている。
俺の中の加虐性のような感情が──────その導火線によって爆発寸前まで追い込まれている気がした。
腰のベルトの金具に手を掛けて外す。
カチャカチャという小さな金属音が小さな小屋の中に響く。
小泉(13)が息を飲むのがその気配から伝わってきた。
ポケットに手を入れ、銀色の缶の蓋を開ける。
ゴムを一個取り出し、残りは缶ごと地面に放り投げた。
力任せにパッケージを二、三度振り、中身を片側に寄せてから封を切る。
地面に転がったカラフルなゴムのパッケージを見た小泉(13)は驚いたように声を上げた。
「……佐藤君、いつもこういうの持ってるの?」
もしかしてもう何回かやったことあるの、と聞いてくる小泉(13)の声は少し不安げに聞こえた。
「うっせぇな。お前と同じだよ。そんなコト一回もねぇし」
そう、とだけ小さく答えた小泉(13)は心なしか安堵の表情が見てとれた。
「……悪いかよ」
さらにイラついた俺の返答を待たず、小泉(13)は首を振った。
「ううん。嬉しい……佐藤君も私と一緒で」
そう言うと小泉(13)は横に転がっているスクールバッグを開け小さめのブランケットを取り出した。
女子がよく学校に持ってきてるやつだ。
地面が痛いかもだから、これ使っとこ、とそれを地面に敷いた。
なんで拒否らねぇでこんなトコに気ィ回してんだよ。
そういうのがなんかムカつくんだよな。
会話している間に準備を済ませた俺は小泉(13)の両膝を掴んだ。
グイと持ち上げた脚の付け根の交差する部分─────その中央部に俺の身体の を充てがった。
馴染ませるように何度かその 箇所を させる。
小泉(13)の身体は大きく跳ねる。
「……っ!……あ!」
佐藤君の……こんなに の……!?と小泉に(13)は吐息と共に呟く。
小さく漏れるその声と言葉に─────俺の身体は更に反応した。
どこに着地するかなんて二人とも知らないんだ。




