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ep6『さよなら小泉先生』 『TALKING ABOUT SEX(Girl's Side)』①

やっぱどう見てもエロ本じゃねぇか。

俺は自分の目を疑った。


何かの見間違いなのか?


俺はもう一度その単行本をキチンと開いて確認した。


何度見てもガッツリとヤッてる。


てか、このヒロインの女────────表紙では少女マンガの主人公らしい清楚な風貌なのに結構エグいことやってるのな。


「………」


俺が言葉を失ったのを察したのか、小泉(13)は俺の手から単行本を奪い返す。


「……えっとその……これは違うの!」


小泉(13)の顔は真っ赤になっている。


「違うって……何がどう違うんだよ」


てか、女子もエロ本とか見るんだな、と俺がボソリと呟くと小泉(13)は慌てて首を振った。


「……これ、私のじゃなくて……!友達に借りただけっていうか!『たまにはこういうのも読んだら』って勧められただけで!!」


普段はこういうのは読まないし!と小泉(13)は必死で否定する。


「いや、別にこういうの読んでてもいいけどよ……」


あんまり夢見過ぎてても後でガッカリするんじゃねぇの、と俺は冷静に指摘する。


「……え!?それってどういう意味?」


小泉(13)はビクリとしたようにこちらを見る。


「いや……だってさ。なんかこういうのって作り話だろ?」


大袈裟に盛ってるっつぅか……現実じゃねぇっつうかよ、と俺は続けた。


「多分だけどさ─────女って初めてとか……そんなに回数こなしてない時って単に痛いだけなんじゃねぇの?」


さっきの漫画みたいにイキナリ本番でも感じまくりでイキまくりって無理があるんじゃね?という俺の言葉に小泉(13)は食いついた。


「なんで佐藤くんにそんなことわかるの!?」


そんなのやってみなくちゃわかんないでしょ!?と小泉(13)はムキになったように反論してくる。


「いや、やっぱ無理なんじゃねぇのか?だって処女膜とか破れて血が出んだろ?」


そんなの痛いに決まってんじゃん。ムードもクソもねぇよ、と俺は答えた。


それにさ、と俺は強調する。


「お前なんか特にビビりの怖がりの痛がりじゃねぇか。無理無理。やめとけって」


お前って絶対セックスとか向いてない人種じゃん。あんまり憧れとか持たねぇ方がいいって、と俺は小泉(13)を説き伏せるように言った。


それはわりとマジで俺の本心だった。


だってさ、夢の中とはいえ───────大人小泉の方のあの抵抗ぶりと暴れっぷりはガチなリアクションだと思ったし──────


タンポンだかシャワーだか知らねぇが、普通に薬局で売ってるようなまともな品ですら怖がって全く使えてなかったじゃねぇか。


無理して背伸びするようなマネしなくてもいいって気がしたんだよな。


コイツの場合、あんまこういうのに興味持たない方がいい気がするんだよな。

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