表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

427/1123

ep6『さよなら小泉先生』 3時のおやつはヨモツヘグイ

最近の小泉なんかおかしくね?

なんで小泉はあんなに怒ってんだろう。


やっぱり神社には何かあるんだろうか?


それにあの古井戸。


中学生の姿の小泉。


奇妙な事ばっかりじゃねぇか。


俺はその日の放課後、もう一度例の場所に行ってみることにした。


素早く下校し甥のシンジに見つからないように気配を絶ちつつ、なんとか本殿の裏手に回り込む。


相変わらずボロボロの小屋ではあったが──────ふとおかしな事に気付く。


南京錠が掛かっている。


前回、俺がぶち壊してしまった筈だが─────


再び取り付けられたんだろうか?


しかし、そこに掛けられている南京錠は錆び付いてボロボロで新しく付け直された物とは思えなかった。


俺が南京錠を手に取ると、またしてもボロリと木材と金具ごと崩れ落ちた。


「????」


いや、前回も腐ってて崩れて取れちまったよな。


どういう事だろう?やっぱりドッキリ的な何かか?


俺は意を決して小屋の扉を開けた。


「……あ!」


先に気付いたのは小泉(中学生)の方だった。


「佐藤くん……だったよね。どうしたの?」


また来たの、と少し驚いたような表情を小泉(中学生)は浮かべる。


よう、と俺は何気ない素振りを装って返事を返す。


何度見ても小泉だ。


小泉(中学生)はやっぱりセーラー服を着ている。


「ここ、座っていいか?」


小泉(中学生)の返事を待たずに俺はその横に座った。


「……あの……えっと……お菓子食べる?いっぱいあるよ」


カントリーマアムの大袋を開封しながら小泉(中学生)は俺にも食うように勧めてくる。


「そっかー。じゃあお言葉に甘えてなんか貰おうかな」


……うん。どうぞ、と小泉が差し出して来たカントリーマアムを受け取り一口齧る。


「あれ?」


カントリーマアムだから当然ながら美味いんだが、俺はそこで何か違和感を覚えた。


何かが違う。


味は俺の知ってるカントリーマアムだ。それは間違いない。


安定の絶対王者感のあるこの味は確実にカントリーマアムだ。


だが、何かがおかしい。


全部食べ終わってから俺はやっと気付いた。


「なんかこのカントリーマアム、デカくね?」


俺の知ってるカントリーマアムはもうちょっと小さいんだが、と俺が言うと小泉(中学生)は不思議そうな顔をした。


「……え?そうかな?いつも通りだよ?」


どうやら小泉(中学生)はそこまで気にしてないようだ。


もしかしてデラックス版とか期間限定Verなんだろうか。


ハロウィン期間とかって菓子類のパッケージも変わったりするもんな。


『ご好評にお応えして増量キャンペーン!』とかかもしれない。


俺はなんとなく大袋を手に取り、パッケージを眺めた。


いつも通りの通常パッケージに見えたが──────


裏面を見た俺は自分の目を疑った。


「え?!」








そこの賞味期限欄には─────『2013・12』と刻印されていた。


めっちゃ過ぎてね!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ