表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

406/1123

ep6『夢千夜』 “壊れた夜” 第十夜 

そうスムーズにはいかないんだな。

くすぐったい?


ダメって事だろうか?


それともなんか嫌だって意味なのか?


俺は動きを止めて小泉の顔を見た。


「………」


小泉は無言で目を逸らす。


くすぐったいって事は痛いって訳じゃないんだろうけど──────


あまりベタベタ触らない方がいいんだろうか。


寧ろ触っちゃダメとか?


触らないでおくべき?


「???」


いや、勝手に判断するより訊いた方がいいかもしれない。


「……その……痛かったり嫌だったらすぐに言ってくれたら止めるから────」


俺、何も解ってないからさ、という言葉に小泉は小さく頷いた。


しかし──────


くすぐったいって言われたら躊躇しちまうよな。


余計な事はしない方がいい?


極力触らずに最後までするのっては可能なんだろうか??


そういうのが当たり前だったりする?


やっぱり俺だけが解ってないのか?


戸惑いながらも俺は小泉の着ている裸ワイシャツ(正確にはカッターシャツだが)のボタンを慎重に外していく。


第二ボタンから留められたボタンは下ろしたてのシャツのせいか、やや固い気がした。


自分の手が少し震えているのがわかる。


俺はゆっくりとボタンを最後まで外した。


シャツがはだけて小泉の身体が露わになる。


シャツの下─────ブラとショーツだけの無防備な姿。


俺はゆっくりと────シャツと脇腹の隙間から小泉の背中に手を回した。


ブラのホックを手探りで探し、勢いよく外す─────つもりだった。


ブラのホック。小さな金具。


しかし。


どんなに指を滑らせても金具が見つからない。


ホックがあると思しき場所を念入りに探っても指先はプラスチックみたいな感触しか掴めない。


え?


ホックが無い?そういうデザイン?


こういうブラってどうやって外すの?


想像してたブラってのは────後ろに金具のホックがあって、留める金具もあって、ってイメージだったんだが─────


ツルツルしたプラスチックのパーツはあるけど、ボタンみたいな感じもしない。


押しても引っ張っても外れる様子もない。


ブラって取れないのか?


どうやって外す?


焦った俺はブラを上にずり上げた。だって取れねぇし外せねぇし仕方ないだろ?


「………っ!?」


小泉が小さく悲鳴を上げる。


思っていたよりやや大きめの胸が俺の目の前で小刻みに震えていた。


小泉って良くてAカップくらいだと思ってたのに────CかDくらいはあるんだな。


普段、ダボっとしたTシャツやジャージばっかり着てるからちっともわからなかった。


そうだよな。







お互いに裸になって──────────初めてわかる事ってのもあるかもしれない。







ブラの外し方って教科書に載せといて欲しい。わかんねぇから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ