表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

341/1123

ep5. 『死と処女(おとめ)』 TALKING ABOUT SEX③

小泉に彼氏?

「は?」


センセェ、彼氏居たの?と思わず口に出すと小泉は視線を逸らした。


「……彼氏だったかどうかはわからない」


ただ、多分好きだった、と、どこか遠くの景色を見るように小泉は呟いた。


多分てなんだよ。メイビー?


「彼氏かどうかわかんねぇってのもイミフだし、多分好きだったとかも曖昧過ぎんだろ?」


なんだよそりゃ、と俺はどうしてだか安堵の混ざったような気分になっていた。


「アレだろそりゃ、なんかアニメキャラ的なイケメン男子に憧れでもしてたんじゃねぇのか?」


そういうのってさ、片想いって言うんだろ?と俺は小泉を揶揄うように言ってやった。


小泉は黙ったまま俯いている。


しかし、俺はようやくあることに気付いた。


俺達、さっきまでセックスについて話してたんだよな?


どうしてその流れでこの話題が出てくる?


え?


まさか小泉、その男子とヤッたとか言わないよな?


まさかな。


………だとしたら小泉、非処女って事になんねぇか?


は?


嘘だろ?


俺は恐る恐る小泉の顔を見た。


初めて見る小泉の表情だった。


恥じらいと戸惑いが入り混じったような視線。


おいおいおい、ここに来て小泉までそんなこと言い出すとか反則じゃねぇか!?


ふざけんなよ?


非処女が巫女とかやってんの詐欺じゃねぇの?


嘘だろ?


冗談だろ?なあ?


「それっていつ付き合ってどんな男子だったんだよ?」


詳しく聞かせてよセンセェ、と不安に駆られた俺は踏み込んだ質問を投げかけた。


わからない、と小泉は小さく首を振った。


「は?」


わからないって何だよ?仮にも好きだった男子だろ?


それとも出会い系やら援交・パパ活まがいの事でもやってた?


そんな馬鹿な。


だって小泉だぞ?


俺はますます混乱した。


ただでさえ夢野の事やこの先の事で頭が一杯なのに─────


肝心の小泉までこんな事を言い出すとは思わなかった俺はどうリアクションしたらいいかわからなくなってしまった。


「─────思い出せないんだ、何も」


小泉は目を伏せた。


「あんなに大好きだった人の筈なのに─────今では顔も、名前すら思い出せないんだ」


は?


どゆこと?


どういうシチュでそうなった?


薬か酒でも盛られてヤられたって意味か?


「それってさ、ぶっちゃけセックスしたって事?」


訳がわからなくなった俺は直球でそのまま質問した。


どういう状況なんだよ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ