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ep5. 『死と処女(おとめ)』 無理ゲー

でも、ホントに大変なのは女の側だよな……

「こんなん、事前情報とかねぇと絶対無理ゲーじゃねぇか」


まあな、と小泉は相槌を打った。


「お前ですらちゃんと説明したら納得出来る程度の話を聞こうとしない男なら、離婚されてもやむなしだな」


ま、それに限らず生理や妊娠・避妊という事柄について世の中の男が無知すぎるのかもな、と小泉は独り言のように呟いた。


「いや、この話を聞けてよかったぜ。知らんかったら危うく大変な事になってたかもしれねぇ」


世の中では雑に扱われ過ぎてる気がするよな。


生命に関わることなのにさ。


ま、俺も全然知らなかったからあんまりどうとか言えないんだけど。


「話が逸れてしまったが、この仮定の場合だと現在は妊娠3ヶ月……9週目といった辺りか」


小泉は再びカレンダーを見た。


「ええと……赤ん坊って十月十日で生まれるんだっけ?」


じゃあまだ全然余裕なのか。


いや、と小泉は険しい表情で俺の言葉を否定する。


「中絶可能なのは妊娠22週までだ。法律でそう決まっている」


だが、と小泉は続ける。


「遅ければ遅いほどダメージは大きいだろう……初期中絶なら吸引法や搔把(そうは)法が可能だが、中期中絶だと分娩と同じ方法になる」


分娩?


え?


それって………


「普通に産ませて、その後に赤ん坊が死ぬってこと……?」


赤ん坊が死ぬ。


もちろん、中絶だからそれは知ってる。


だけど。


通常の出産と同じようにして産まれて、その後死ぬ?












俺が中絶するわけじゃ無いのに─────背筋が凍って血の気が引いていくのを感じた。


もし間に合わなかったら……

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