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ep5. 『死と処女(おとめ)』 爪爪爪

シャンプーやボディソープって肌に合う合わないってあるもんな。

小泉が帰った後、俺は家に入りふと考える。


俺も風呂に入らないとな。


その後は?


何か用意って必要だろうか?


学ランを脱ぎ、冷蔵庫の冷えた麦茶を飲んで考える。


今までってどうしてただろうか?


記憶の糸を辿るが上手く思い出せない。


多分、今までだと『なんとなく』そういう流れになってたような気もするんだが。


今回はなんとなくなんて騒ぎではない。


ガッツリ『今からヤります』的な流れになってるよな。


とりあえず風呂に先に入るか。


いつも通り湯船には浸からず、シャワーだけで済ませる。


俺はいつも使っているシャンプーのボトルを見た。


ドラッグストアで最安値のトニックシャンプーである。


使うとスースーするし、俺はコレで十分過ぎるくらいに思っていた。


でも女はこういうシャンプー絶対使わないし嫌がるよな…


女でロングヘアだと髪がゴワゴワになりそうなイメージすらある。


まあ、「一旦家に帰って風呂に入ってくる」という小泉の判断は全くもって当たり前の事のように思えた。


いや、風呂やシャワーを使わずに、という選択肢もあるにはあるが……


なんとなくの流れやムードに流されて、とかいい雰囲気になって、みたいな状況でも無いしな。


俺はぬるめの温度のシャワーを浴びながらぼんやり考える。


今からホントに小泉とヤるのか?


てか、大丈夫だろうか。


今までとは違う流れ、違うテンションに俺は戸惑っていた。


まあ、戸惑ってるのは俺だけじゃないんだろうけどな。


石鹸で身体を洗い、またぼんやりとぬるいシャワーを浴びる。


ふと俺は今朝、小泉の部屋で見た謎のチューペットのような器具の事を思い出した。


変なノズル状の先端部を取り付ける仕様になっていたが………


俺の指より細いその先端部を『なんか怖い』って理由で使わずにぶん投げてたんだっけか、小泉は。


俺は改めて自分の右手と指を見た。


いやいやいや………


あの細さのモノを入れるのにビビって怖がってたらさ、指とか、あるいはもっとそれ以上にボリュームのあるモンはどうするんだよ……


俺は蛇口を捻り、シャワーを止めた。


小泉は暴れずにちゃんと最後まで大人しくしてるんだろうか。


そんな事を考えながら脱衣所に出てタオルで身体を拭きながら居間に向かう。


待てよ。


俺は居間に向かい、箪笥の引き出しにある爪切りを探す。


確か、こういう時って爪を極限まで短く切らなきゃいけないんだったか。


いつだったか佑ニーサンが言ってた事を思い出した俺は慎重に爪を切り、ヤスリを掛けた。


俺は改めて爪を短くした自分の指を見つめた。




マジで?マジで今からこの指をドコに入れる気なんだよ俺は?


いや、最大限に配慮はするつもりだけど……

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