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ep4. 「暴かれた世界」 セッ◯スしたら出られる部屋 その③

アンタも強情だな、小泉。

巫女の赤い袴、腰で結ばれている紐を勢いよく引っ張ったつもりだった。


次の瞬間、俺は左頬にストレートを喰らっていた。


パーじゃなくてグーだぜ?


完全に油断していたのでノーガードだった。


全く手加減無しのガチなやつだった。


多分、渾身の力で殴られた。


小泉の本気の抵抗を見せられた気がした。


俺は思わず口を手で抑える。


手のひらに血が付いている。


ってか、めっちゃ血が出てた。


「……いいパンチしてるじゃねぇか」


「そりゃどうも」


小泉は平然とした様子で答える。


てか、なんなんだよ!?


口の中に血の味が広がる。


まさかここまで抵抗されるとは思ってもみなかった俺は動揺した。


確かに、女にとっての『初めて』と男にとってのそれは意味合いや価値が違ってくるかもしれない。


同列に考えちゃいけねぇのかもしれねぇけどよ。


それって平常時の話だろ?


今は非常時だ。


そんなこと言ってられねぇんだよ。


「なあセンセェ、もしかしてヤるのが怖いのか?」


俺は小泉の肩を掴む手に力を込める。


小泉は黙ったまま俺を睨んでいる。


油断するとまたブン殴られかねないので慎重に説得を試みる。


「確かに処女って大事かもしんねぇよ?それはわかるぜ?」


けどさ、と俺は続ける。本題はこっからだ。


「センセェがいくら二次元が好きって言ってもさ、あいつらは画面から出てくることはねぇんだよ。結局、どんなに二次元が好きでも処女を捨てるのは生身の人間ってことになんだろ?」


小泉はその高すぎる理想ゆえに生身の男を拒否してるんじゃないのか?そんな気がした。


「生身の男なんて二次元に比べたらどいつも同じだろうが。いつかは散らす処女なんだからいい加減に観念したらどうなんだよ?」


小泉は俺の手を払い除けようと抵抗する仕草をみせる。


さっきは油断したがそうはいかねぇよ。


俺は手に力を込め、自分の体重を小泉にかける。


いくらセンセェが大人だからって言ってもよ、男と女じゃ力の差があるんだよ。


身長だってそうだろ?


俺は168cmでまだ伸びてる最中だ。


小泉は見たとこ160cmってとこじゃねぇか。


俺は小泉の手首を掴み、更に力を込めた。


「……くっ!」


さっきみてぇに振り解けねぇからか小泉は苦悶の表情を浮かべる。


普段は俺の事を気軽にど突き回してくれてる小泉だが、こうなったら力の差って歴然なんだな。


「なあ、死ぬよりはマシなんだからよ、お互いに大人になろうぜ?」


俺は更に一歩前に踏み出し、小泉との距離を詰める。


「……お前にヤられるくらいなら死んだ方がマシだな」


なおも小泉は余裕ありげに吐き捨てる。


「は?」


俺は一瞬動きを止める。


死んだ方がマシ?


俺ってそこまで拒否られるような人物なワケか?


内心、俺は軽くショックを受けていた。


ていうか、ショックを受けてる自分にショックなんだが。


確かに今まで童貞を捨てて来た一連の流れや最中の記憶はねぇよ。


どういう流れかはよくは知らないが少なくとも『雪城マコト・花園リセ・諸星キクコ』の3人とはヤッたんだしさ、多分この3人からは拒否られない程度の最低限のレベルはクリアしてるつもりではいたんだよ。


“生理的に無理”っていう、女子がよく使うワードがあるだろ?


つまり、この3人とヤッてるって事はさ、少なくとも“生理的には無理ではない”っていう点はクリア出来てるって思ってたんだよな。


別に俺は自分がイケメンとは思ってもねぇし、カッコいいとか自惚れてるワケでもねぇよ。


けど、カースト上位の諸星キクコが仮とは言え[ダミーの彼氏候補]として俺に告白して来たってことはさ、最低限のレベルとして“隣に居てもまあ許せる”って思われてたんじゃねぇかとも思ってたんだよ。


諸星キクコなんか特に周囲の目が気になるタイプだろうしな。


そういう流れを踏まえて俺自身、『イケメンではないだろうが普通レベル』だと自負して来たワケだよ?


それがどうだ、ここまで小泉に蛇蝎の如く拒否られちゃあ自信が無くなるよな。


「なあ!?そんなに嫌なのか?!俺にヤられるのが死ぬより嫌だってのかよ!?」


俺はいつの間にか小泉の手首を掴んだまま小泉の身体に密着していた。


もうヤケクソだった。





強◯だと言われてもこのまま無理矢理にやるしかなかった。

無理矢理すんのってホントは好きじゃねぇけど仕方ないだろ。

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