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ep4. 「暴かれた世界」 セッ◯スしたら出られる部屋 その②

マジで時間ねぇだろうが。

小泉は眉間に皺を寄せる。


「ほう。随分と偉くなったものだな?佐藤」


小泉は俺が肩に置いた手を払いのけてゆっくりと俺を見た。


「何度か童貞を捨てるうちにコツでも掴んだのか?」


含みを持たせるように小泉は小さく呟く。


知ってるくせに。


俺が行為中の記憶も意識もないことを知ってて小泉は挑発的な態度を取っているようにも思えた。


同時に、何の経験も積んでもいないしテクニックもクソもない俺の現状を指摘されたような気がして少しの屈辱感を味わう。


「余裕ブッこいてられるのも今のうちだけだぜ?水位が上がって来たらそれどころじゃなくなるんだし」


「それどころじゃない、とは?どういう事か教えて貰えるか?」


俺の必死の提案を小泉は鼻で笑うように軽くあしらう。


マジでなんなんだよお前。


ガチで死にそうな局面で何でこんな挑発的な態度なんだよ?


「正常位が無理ってなったら立ちバックとかになるだろうが」


正直言って俺も自分が何を口走っているのかもう解らなかった。


てか、体位?俺だってよく知らねぇよ!?


48個もあるとか信じられねぇよ。大人ってみんなこれ覚えてるしちゃんと出来るの?


てか、難易度高いのが平気で混ざってね?


それ以前にそもそもセックス自体が難易度高いわ。


小泉に偉そうに言ってみたものの、そもそも俺自身があやふやなんだが。


え?ここで出来るっけ?


最初にどうするんだっけ?


混乱して来た俺はどうしたらいいかわからなくなった。


水の音が大きくなって来た気がした。


座敷牢と鉄格子の外の通路部分には少しの段差があった。


水は少しずつだが通路部分に流れ込んできている。


ここまで水が来るのも時間の問題だった。


「なあ、嫌なのはわかるけどさ、俺だって好きでこんな事してぇ訳じゃねぇんだよ!?」


お互い様だろうが、と俺は小泉の説得を試みる。


「時間が戻ればお互いに記憶も消えるだろ?そりゃ、謎の文庫本が出現するかもしれねぇけど、嫌なら読まなきゃいいだけだし」


そうだ。記憶も消えるし妊娠もしねぇ。二人分の命が助かる上にリスクなんて何もねぇだろうが。


「記憶に残らなければ何をやってもいいって訳じゃあないだろう?」


小泉はなおも首を縦に振らない。


強情にも程がある。


何がそんなに嫌だって言うんだ?死ぬよりはマシだろうが。


俺は再び小泉ににじり寄った。


「センセェも処女だろうし、好きでもねぇ相手とヤんのなんか嫌だとは思うぜ?」


でもそれってお互い様だろ?痛み分けじゃねぇか、と俺は精一杯小泉を睨む。


俺だって同じ条件だろうが。


この期に及んで何でわかってくれねぇんだよ?


壁際に小泉を追いやり、逃げられないように囲い込む。


所謂、“壁ドン”の体勢になる。


最悪、小泉が暴れるならこのままヤッてしまうのも仕方ない。


俺は腹を括った。


「なあ、強情張るのもいい加減にしろよ?このまま大人しくヤられとけよ」







俺は小泉の肩を押さえつけ、袴の腰にある紐に手を掛けた。

とっとと脱がせるしかねぇ

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