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ep3 . 「嘘つき黒ギャルと初めての男女交際」 黒ギャルの初めてを奪って欲しいという依頼

なんかもう訳わかんねぇよ。

俺と御月は寺の本堂の階段部分に座って柿を食べていた。


御月が剥いた柿と麦茶を持って来てくれた。


……すまないな、家族が留守で、と御月が盆に乗せたグラスを俺の横に置く。


俺は品のあるカットガラスのタンブラーを眺めた。


こじんまりとした小皿にカットした柿、金色のフルーツフォークが添えられている。


「御月がコレ用意してくれたんか?」


俺は早速、出された柿を頬張りながら御月に質問する。


「……まあ、柿と麦茶ぐらいしか出せないんだが」


よく冷えた柿と麦茶がメチャクチャ美味かった。


俺は御月の顔をマジマジと見た。


何回見てもイケメンだと思った。


肌は白いしまつ毛は長い、髪もサラサラで整った顔立ちだ。


オマケに気が利くし、多分このタイプは料理も難なくこなすと見た。


御月は俺の隣に座り、麦茶を飲む。


“寺の本堂で柿を食う”ってなんか法隆寺っぽいよな、と漠然と思った。


「御月と居ると毎日が修学旅行みたいだよな」


何気なく呟いた一言に御月が反応する。


「……佐藤は面白い事を言うんだな……」


だからだろうな、と御月は俯いた。


「え?何のハナシだ?」


「……おれは昔から人と接するのが苦手で……喋るのも苦手なんだ……」


御月の顔が曇っているのを俺は見逃さなかった。


「……でも佐藤はおれと違う。男らしいし、いつも堂々としていて……」


は?


「いやいやいやいや……ちょっと待てよ!?」


俺は全力で首を横に振る。


まさかとは思うが、諸星キクコに振られたのは自分が話し下手で奥手だからとか思ってないか!?


俺が男らしい!?いやいや、ガサツで乱暴なだけだって!


御月はこちらを真っ直ぐに向いてこう言った。


「……佐藤は彼女を大切にしてやれよな」


いやいやいやいや…


御月はこの期に及んで自分が元カレとは知らせずに俺に諸星キクコを託そうとしてるのか?


いや、絶対なんかおかしいって。


御月が知らない何かがある気がする。


SSR彼氏を引き当てといてドブに捨てるような真似って普通するか?


しかもその後に俺と付き合う?


絶対に何か裏があるだろ。


これってどうしたらいいんだろう。


俺は御月の顔をチラリと見た。


御月は俺の横顔をずっと見つめていた。


え!?


一瞬俺はドキリとした。


何でこっち見てんだよ御月……


「……佐藤はイケメンなんだな……」


は!?


そうだよな、と御月は納得したように黙り込む。


いやいやいやいやちょっと待て。


俺がイケメン!?そんな筈ねぇだろうがよ。


御月レイジも諸星キクコも二人して頭のネジが2、3本ブッ飛んでるのか?


やっぱりお似合いなんじゃねーか二人とも。


どうリアクションしていいか困った俺はひたすら柿を食べていた。


「……佐藤は柿が好きなんだな……」


納得したように御月が頷いた。


違う、そうじゃねぇ……


しかも微妙に会話も噛み合ってねぇ……


これってどこに着地させるのが正解なんだ?


俺は意を決して御月に本当の事を話すことにした。


「悪ぃ御月、俺さ、昨日お前のスマホの待ち受け見ちまったんだけど……」


「…………」


御月は黙っている。


「お前の元カノ、諸星キクコなんだろ……?」


俺は恐る恐る御月に確認する。


ああ、と御月は静かに頷いた。


御月は視線を逸らさず俺の目を真っ直ぐに見た。







「……なあ佐藤、お前がアイツの処女を奪ってやってくれないか?」


は!?


無理無理無理無理…!!!!!


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